イベント
石川直樹『潟と里山』(青土社) 販売しています
1977年東京生まれの写真家、石川直樹さん。2000年の「Pole to Pole 2000」以来、世界の山々を登り、海をわたり、大陸を歩き、旅を続ける石川さんは、人類学、民俗学などの領域にも関心を持ち、日々軽やかに地球を移動しながら、写真や文章での記録、作品発表を続けています。
38歳と言う年齢でこれだけ世界のあらゆる場所を歩いた人間はいないんじゃないかと思われるくらいの壮大な冒険家人生を送っていますが、ご本人にお会いすると、いたってノーマルな雰囲気で、ただ、世界のどこにいても変わらないスタンスで生きている、そういった強い芯を感じさせる人物です。
石川さんの写真は、世界と対峙し、世界から投げられるボールをそのままキャッチしているような、彼なりの捉え方で世界と一体となっている、あるいは時空を超えた何かとの関係性が写りこんでいるような作品が多い気がします。そして、そこに付けられる等身大の文章もまた魅力があります。
新潟では水と土の芸術祭、大地の芸術祭などに参加し、現在新潟市で開催中の、水と土の芸術祭2015では新作を発表。「潟と里山」というテーマで、数か月にわたり、新潟の西区・西蒲区のエリアに特化した写真を作品集の形におさめ、芸術祭のベースキャンプではその撮影ドキュメントを展示しています。
今回、私たちブリコールでは、ありがたいことに、石川直樹さんからお声がけいただき、写真集『潟と里山』の中の「斉藤文夫氏インタビュー」のインタビュー原稿作成をお手伝いさせていただきました。ブリコールが不定期発行しているフリーペーパー「ひとひら」を見て、お声をかけて下さったとのことで、とても嬉しかったです。
インタビューの内容は、「郷土からのまなざし」ということで、西蒲区福井に住む村の生き字引、斉藤文夫さんに、石川さんの写真を1枚1枚見ていただき、さまざまな解説を加えていただいているというものです。今回の撮影にあたり、石川さんは予め斉藤さんに会いに行かれ、アドバイスをもらったそうで、写真集『潟と里山』は斉藤さん抜きには、完成しなかったといっても過言ではありません。
前置きが長くなりましたが、そんな経緯で、『潟と里山』を室礼でも販売させていただいています。さらに9/5(土)には、KOKAJIYAからすぐ近くの「いわむろや」で、石川さんご本人がいらして、写真集出版記念トーク&サイン会が催されるとのこと(下記詳細あり)。ぜひ直接会いたいという方は、またとないチャンスです!「いわむろや」へお越しください。
●石川直樹『潟と里山』(青土社、2015.7)本体価格:¥4,800
税込価格:¥5100(室礼では若干の値引きをして販売しております)
装丁も表紙が4種類の写真から選べたり、造本も凝っていて、また、石川さんが直接印刷会社に出向いて調整をされたという、印刷の完成度も素晴らしいです。見本も置いてありますので、ぜひお手にとって実物をご覧いただきたい作品集です。
●石川直樹『潟と里山』出版記念トーク&サイン会
2015年9月5日(土)13:00~(1時間程度)
入場無料・申し込み不要 定員50名
お問い合わせ先:025-226-2628(水と土の芸術祭2015実行委員会 担当:斎藤)
●石川直樹プロフィール
1977年東京生まれ。東京芸術大学大学院美術研究科博士後期課程修了。 人類学、民俗学などの領域に関心を持ち、辺境から都市まであらゆる場所を旅しながら、作品を発表し続けている。『NEW DIMENSION』(赤々舎)、『POLAR』(リトルモア)により、日本写真協会新人賞、講談社出版文化賞。『CORONA』(青土社)により土門拳賞を受賞。著書に、開高健ノンフィクション賞を受賞した『最後の冒険家』(集英社)ほか多数。最近では、ヒマラヤの8000m峰に焦点をあてた写真集シリーズ『Lhotse』『Qomolangma』『Manaslu』『Makalu』(SLANT)を4冊連続刊行。最新刊に写真集『国東半島』『髪』『潟と里山』(青土社)がある。
HP:http://www.straightree.com/
9/27(日)土着ワークショップvol.10 藁細工・カマダイづくり 開催!!
【土着ワークショップvol.10 藁細工・カマダイづくり のご案内】
お待たせしました!半年ぶりとなる土着ワークショップ開催のお知らせです。今回は江南区沢海の北方文化博物館さんにお邪魔して行います。
今年で3年目になる藁細工のカマダイ(鍋敷き)づくり。生活の必要から生まれ、そこにあるもの(余っているもの)を活用して作られていた藁細工。その熟達した技術者も少なくなっている今、講師の山際さんに出会えたことは本当にありがたいことだなと思います。
以前ご参加された方も、今回はバージョンアップをして中級者向けのイグサ細工(縄綯いをやります)も選ぶことができます。ぜひご体験ください!!
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●日時:2015年9月27日(日) 終了いたしました
<午前の部>10:00~11:30
<午後の部>12:30~14:00
●場所:江南区沢海2-15-25 北方文化博物館内
「常盤荘」(ときわそう) ※駐車場あり
●講師:黒埼民具保存会会長 山際辰夫さん・ハツさんご夫妻、山際裕子さん
●つくるもの:カマダイ(鍋敷き) 直径15~18cm
a藁細工(初心者向け)、bイグサ細工(縄綯いあり・中級者以上)の2種類からお選びいただきます。
※チラシの表の写真はaの方です。
●参加費:3,500円(材料/講習費、北方博物館見学料込み むすびや百さんのおはぎ付き)
●定員:各回15人
●申し込み・お問い合わせ:TEL 080-4051-1211(ぐみざわ)or メール(info@bricole.jp)まで。「9/27の土着ワークショップ参加」とお伝えください。
※お子様連れの方も参加できます
※定員になり次第、受付終了となります
※当日、北方文化博物館では「呼び覚ます土の記憶~古代ハスと豪農の歴史~」展を開催中です。併せてお楽しみいただけます。
※本ワークショップは、新潟市水と土の芸術祭2015市民プロジェクト:『にいがた稲作ドキュメンタリー&シンポジウム 暮らしの骨格』(主催:ブリコール)の事業です
主催:Bricole(ブリコール)
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以前、室礼にて行った、カマダイづくりの様子はこちら↓
2014.10.19 開催:「土着ワークショップvol.05 カマダイづくり」レポート
2013.10.20開催:「土着ワークショップvol.01 新米ごはん&ワラで鍋敷きづくり」レポート
いろり座談会vol.02 6/28(日)開催します
昨年の4月、旧庄屋佐藤家にて行った「いろり座談会」。6月にその第2回を開催します。
テーマは「暮らしの骨格」。副題は、にいがた稲作文化シンポジウムです。
佐藤真監督のドキュメンタリー映画『阿賀に生きる』や、西蒲区福井の写真家・斉藤文夫さんが記録した「角海浜」に生きた老人たち。「彼らからいったい何を受け取ったのか」。座談者のみなさんにそう尋ねたのが、第1回のいろり座談会だったと思います。
今回はテーマを決めるにあたり、いつも土着ワークショップでお世話になっている藁細工職人の山際辰夫さん(86歳)の存在がありました。毎年地域の人に売る「注連縄」や「しめ飾り」をつくるために、必要な藁などの材料を半年以上、手間をかけ自分の手で育てている山際さん。
「藁仕事は好きでやっているの」と語る山際さんのその元気の源は何だろう?
そう思った時、いつも土とともにある、山際さんの生活を想いました。そして、山際さんの稲作とその周辺を映像に残したい。そこに何らかのヒントが映るのではないかと考えました。
と同時に、稲作をはじめ、土地に根差し、土地と深く関わって生きるということはどういうことなのか?日本人の暮らしの変遷や社会状況をたどりながら、改めて考えてみたいと思ったのが、今回のシンポジウム企画です。
ゲストは、
民具研究者の五十嵐稔さん
佐藤家の囲炉裏の火焚き爺さん、斉藤文夫さん
藁文化研究者の宮崎清さん
民俗研究家の結城登美雄さん
稲作農家の山上力さん
土地土地を尋ね歩き、そこに暮らす人々の声やものの形、有り様を記録し、あるいは自身も土地と関わって生きている、そんな素敵なみなさんです。
暮らしの中に当たり前に存在している生活様式、文化、習慣、風俗、祭りのようなものの中に、古くからの日本人の営みの形が見え隠れしている。私たちの暮らしを形づくっている、その「暮らしの骨格」とはどんなものだろう。また、それはどう変化しているのだろう。
そういったことも掘り下げながら、「今、何を大切にして生きていきたいのか」をゲストのみなさんと一緒に考えられたらなと思っています。
ぜひ6月28日(日)13時~、旧庄屋佐藤家に集まって、囲炉裏の火を囲んでみませんか?
///(以下、概要)///
いろり座談会vol.02 にいがた稲作文化シンポジウム 「暮らしの骨格」
座談者【敬称略】
五十嵐稔(新潟県民具学会会長)
斉藤文夫(郷土研究家、写真家、佐藤家囲炉裏の火焚き爺さん)
宮崎清(千葉大学名誉教授、アジアデザイン文化学会総会長、『図説 藁の文化』著者)
結城登美雄(民俗研究家、「地元学」提唱者)
山上力(新潟市西蒲区夏井の稲作農家)
聞き手 桾沢厚子(ブリコール)
日時:2015年6月28(日)13:00~16:00
会場:福井旧庄屋佐藤家(新潟市西蒲区福井2908)
参加費:¥500(資料代込)
定員100名 当日先着順(予めのご連絡でお席を確保可能)
問合せ・予約:080-4051-1211(ぐみざわ)、info@bricole.jp
HP:http://bricole.jp/irori/
企画:ブリコール(桾沢和典・桾沢厚子)
協力:NPO法人福井旧庄屋佐藤家保存会、NPO法人いわむろや
ロゴ:荒木康太(ノッポ) 写真:Tango
※にいがた稲作文化ドキュメンタリー&シンポジウム「暮らしの骨格」は、水と土の芸術祭2015 市民プロジェクトの認定事業です。
●チラシ詳細は(こちら)からダウンロードできます。
●「暮らしの骨格」facebookページ
●「暮らしの骨格」twitter: @tw_irori
「にいがたアグリピクニック」活動記録写真展 開催中(~3/22まで)
あたたかくなってきたかと思いきや、吹雪になったりと、まさに三寒四温な日々が続きます。
先週末より室礼では、ささやかな写真展を開催しています。おもに昨年初夏から冬にかけておこなった「にいがたアグリピクニック」(※)を振り返る写真展です。
「にいがたアグリピクニック」や2013年より行っている「土着ワークショップ」(※※)を通して見えてきたのは、新潟の土、水、風、自然のちから、そしてそこから素材を活かす知恵や手仕事のような技術。さらには人との交わりや生きる楽しみ(文化)を見出してきた人々の長く、深い蓄積や記憶の存在です。
そういったもの一つ一つと丁寧に向き合うことで、今の生活に少しずつ拠り所や、将来的な強み、生きる充足感につながる何かを見出すことができるのではないか。季節が途切れること無く巡ってゆく中で、瞬間瞬間を楽しみながら過ごすための体験や機会を、今後もつくっていきたいと思っています。
3/15(日)までは、岩室温泉では「アートサイト岩室温泉」も開催され、春の気配にムサビ(武蔵野美術大学)の学生たちが一花もふた花も添えてくれて、街も活気づいています。ぜひ温泉街に点在するアートとともに、KOKAJIYAでお食事or喫茶を楽しみつつ、室礼の写真展も眺めにお立ち寄りください。展示は3/22(日)まで。期間中、ワラ細工の講師としていつもお世話になっている黒埼民具保存会の山際辰夫さんご夫妻の民具(ほうきや鍋敷きなど)の販売も行っております。そちらもどうぞご覧ください!
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にいがたアグリピクニック活動記録写真展
2015年3月8日(日)~22(日)
OPEN:11:30 2F喫茶営業時間:14:30~21:00
火曜・第一水曜定休
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「農業大国」と呼ばれるここ新潟であっても、私たちは普段の生活で、「農」に触れることは、なかなかありません。産直所や朝市も身近にはありますが、日々の食材の多くはスーパーで買うのが当たりまえです。しかし、目線を少し変えれば、その美味しい食材が作られている現場は、私たちの街のすぐそこにあります。その生産の現場から、食材のこと、またそれに付随する大切な文化を知る機会が創れるはず。今、失われつつある農作業や保存食づくり、その副産物からできる手仕事(梅仕事、はざ架け米、干し柿、ワラ細工など)に着目し、「イベントに参加することで自分たちが食べている物を作るフィールドに、まずは立ってみる」。そんな体験型農作業イベントの実施を企画しました。「にいがたアグリピクニック」と題したこの活動は、地域の皆さんや生産者の皆さんと協力し、2014年の初夏から冬にかけて行いました。
にいがたアグリピクニック企画/運営:山倉あゆみ(foodrop)、桾沢厚子(ブリコール)
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<にいがたアグリピクニックの活動記録>
●夏井のはざ架け米プロジェクト
2014.5. 田植え、9.29稲刈り&はざ架け、10.10はざ下ろし
夏井の田んぼ、はざ木(西蒲区夏井)
(協力)山上力、阿部朝幸(ベリー農園)、小倉壮平・笛木憲弘(いわむろや)
(特別参加)岩室小学校5年生、BSN放送「ダイばん!」県内4大学の学生レポーター
●[土着ワークショップ] うめしごと01 青梅シロップ&梅味噌
2014.6.16収穫体験、6.18 ワークショップ
KOKAJIYA&室礼
(講師)佐藤千裕、(協力農家)高松利行・ひかり夫妻(ひかり畑)
●[土着ワークショップ] うめしごと02 梅干し&梅酢漬け
2014.7.10前編、8.19後編
前編=いわむろや、後編=三方舎 書斎ギャラリー
(講師)佐藤千裕、(協力農家)高松利行・ひかり夫妻(ひかり畑)
●[番外編] アグリピクニックcafé @新潟三越
2014.9.9〜15
新潟三越1階ライオン側入口
●[土着ワークショップ] はさがけ新米ごはん&ワラ細工・カマダイづくり
2014.10.19 室礼
(講師)黒埼民具保存会 山際辰夫・山際裕子
(協力農家)山上力、阿部朝幸(はさがけ米、稲ワラ提供)
●[土着ワークショップ] 干し柿づくり
2014.11.3前編、12.7後編
前編=いわむろや、KOKAJIYA 後編=室礼
(講師)高塚俊郎(タカツカ農園) (協力)柿ガール、吉岡ちえみ
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<山際ご夫妻の民具販売ラインナップ>
・藁草履、布草履
・イ草鍋敷き
・米俵
・棕櫚の手箒、草ぼうき、キビぼうき
※「にいがたアグリピクニック」(事業者:foodrop)は、新潟市シティプロモーション認定事業です。
※※「土着ワークショップ」は、地域の生活の技術をゆるやかに継承することと、今後の「土着的行為」に繋がるような種(=基礎技術)をまくことを目的とするワークショップ。2013年10月より、KOKAJIYA2F「室礼」をメインに不定期開催しています。カマダイ(ワラ細工)、梅仕事、干し柿の他、これまでに流し雛(ワラ細工)、煮ざる(竹細工)、卵つと(ワラ細工)なども開催。
【にいがたアグリピクニック】稲刈り&はざ架け編 振り返りレポート
~「はざ架け米プロジェクト」レポート~
【にいがたアグリピクック】 稲刈り&はざ架け編
昨夏の終わりに開催した【にいがたアグリピクック】の振り返りレポートをお届けします。
晴天に恵まれた、収穫日和の9月18日。「夏井のはざ木」で知られる西蒲区夏井の田んぼでは、5月に岩室小学校のみなさんが一つ一つ手で田植えをした稲が、黄金色になり、たわわに穂を垂らしていました。
今回は小学生からバトンを受け取り、県内4大学(長岡造形大・新潟薬科大・新潟青陵大・新潟青陵大短大)のかわいい学生さんたちと共に、一般参加者のみなさんを交えた「稲刈り&はざ架け」体験を行いました!
朝から暑くなる予感たっぷりのモヤッとした空気の中、やる気まんまんで集まったメンバーたちを前に、はざ架け米プロジェクトを引っ張っているリーダー・小倉壮平いわむろや館長よりひとこと。小倉さんは東京からの移住組で、数年こうして地元岩室の方々と稲作を一緒に行ううちに、すっかりご自身も田んぼの魅力にはまってしまったようです。
そして「アグリピクニック」と題し、初夏からスタートした「農作業×まかない」を楽しむこのプロジェクトについて、企画した山倉あゆみが、その魅力についてお話しました。
今回の「稲刈り&はざ架け」編の目玉は、何といっても、作業後のピクニックランチ!たっぷり汗をかいた後に、畦道にキッチンカーがやってきて、田んぼのすぐ脇でいただくお米の味は格別なものです。
一同期待も高まったところで、田んぼへ歩いて移動。
途中、水路にいる魚や、田んぼにいるタニシ、蛇の抜け殻を見つけて、大はしゃぎです。指導・案内役の山上力さん、阿部朝幸さんも嬉しそう。
田んぼに着くと、山上さん、阿部さんから作業の流れ、鎌の使い方などを教えていただき、いよいよ各々鎌を持って、稲刈り作業開始です。
小さな子どもから大人まで、わいわい稲の束を刈っていくこの作業。単純ですが、すごく腰にきます。一昔前まではこれを全て手作業でやっていたと思うだけで気が遠くなります。でもみなさん、楽しそう。
数本の稲をまとめた束を、後でワラで一括りにする(この辺りでは「まるける」と言う)作業をしやすくするため、「x」のようにして、少しずつずらしながら、稲束を置いていきます。だんだんリズムができてきて、あっという間に刈り作業は終了。
刈っている最中に気づいたのは、田んぼに生えている下草の種類の多さやカエルやトンボなどの生き物たちの存在。当然ながら、田んぼはこうした生物たちの住処でもあり、外から田んぼを眺めるだけではわからない、触れてみて初めて気がづく“いきものたちの世界”がそこにはありました。
続いて、はざ架けしやすいよう稲の束をつくる「まるける」作業へ。
ベテラン農家さんやお手伝いにいらしたご近所のおばあちゃんに習いながら、最初は見よう見まねで、たどたどしくまるけていましたが、少しずつ様になる人もいれば、最後まで苦戦した人も…。腰、ひざ、腕、手先…と、身体の使い慣れていない部分をいっぱい使いながらまるける作業を黙々と続けて数十分。そこには稲束の山ができました!
そして今度は「はざ架け」の工程です。ここまでレポートではさらりと進みましたが、この間蒸し暑くて汗だくで、熱中症にならないかと、ふと不安になるほど喉が渇きます。農家さんの日々の作業には頭が下がる思いです。
こうして苦労してまるけた稲束を、一つ一つ、はざ木(トネリコの木)に竹で橋渡しをしたところへ架けていきます。
高いところは、農家さんに手伝ってもらいながらのはざ架け。稲束でできた黄金色の壁を見て、なんともいえない充実感を味わうことができました。
作業後は、みんなで記念撮影!みなさんとってもいい笑顔です。
当日はBSNテレビ「ダイばん!」の取材も入っていたので、大学生たちは作業を終えての感想を思い思いにカメラの前で語っていました。
続いてはお楽しみ・「ピクニックランチ」の時間です。
畦道にやってきたキッチンカーから現れたのは、ピクニック用のシートとアウトドア用の机!一瞬ではざ木の並ぶ畦道がランチ会場に仕立て上げられました。
まかないの内容は、2014年定番となった新米のお茶漬けと、この日のための特別メニューで構成された色とりどりのおかずたち。
メニューはこちら↓
・山古志牛のしぐれ煮 新米茶漬け(きりあえ入り)
・干しカブと身欠きニシンの煮物
・ふろふき大根 永塚農園のししとうみそをかけて
・ずいきの酢の物
・岩崎食品さんのハリハリ漬け
みなさん好きな場所に腰かけて、「いただきます!」
もちろん、お米もおかずも期待以上の味でした。お米をつくる現場、土の匂いのするこの場所で、弥彦山・角田山を遠くに眺めながら、こうして食べられる幸せをかみ締めました。
農家さんたちの後ろ姿もすてきです。
夏井の田んぼのこのはざ架けで得られるのは、天日乾しされた美味しいお米だけではありません。
「稲ワラ」も大事な資源です。かつては当たり前にあって、生活のあらゆる場面で使われた稲ワラも、今ではほとんどが活用されずに捨てられるというのが現実。ワラ細工やワラ灰など、稲を穂先から根元まで使い尽くしてきた、先人たちの知恵には、きっとこれからのヒントがいっぱいあるはず…。
というわけで、10月には、この時のはざ架けで得られた稲ワラを使ったワラ細工のカマダイ(鍋敷き)づくりを行いました。その模様は「土着ワークショップvol.5カマダイづくり」レポートをご覧ください。
今回のアグリピクニックを通して、お米を食べるだけでは見えてこなかった、稲作の魅力について、自分が作ることに関わることで少し垣間見れたような、そんな貴重な体験ができました。
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「にいがたアグリピクック 稲刈り&はざ架け編」は、新潟市シティプロモーション認定事業
『にいがたアグリピクニック』(事業者:foodrop)のプログラムです。
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干し柿完成!
12月はじめに「手もみ」作業を終えた、土着ワークショップvol.06「干し柿づくり」。その後のレポートです。
12/7に行った手もみ作業。一つ一つ「甘くなれ!」と思いを込めておこないました。
手もみ直後、寒くて風通しの良いと思われたKOKAJIYAの廊下に面する階段の上に1週間ほど、時々裏返しをしながら寝かせていました。が、思った以上に廊下に湿気がたまりやすく、一部の干し柿にはカビが発生。そこで急遽、干し柿をカビの発生したものと無事なものにより分け、別の場所に移すことにしました。
少しカビの生えてしまったものも「食品用アルコールで丁寧に拭き取りを行えば大丈夫」とお客様の声により救出することに。
雨などに濡れないKOKAJIYAの軒下と昨年うまくいった主催者(桾沢)自宅のベランダに再び干し、外気中に晒すことにしました。
それから1週間。ぽつぽつと白い粉が全体に吹き始め、2週間目には、全体的に白い粉が吹いた状態になりました。外気中に干してからは、カビの生育環境となる温度と湿気の心配も無く、順調に干し柿づくりが進みました。
2013年に続き、2度目の挑戦にして新たな失敗も経験。それでもなんとか2014年も、角田山麓・柿団地の平核無(ひらたねなし)柿を使った「干し柿」が完成!無事、年末に参加者のみなさんにお渡しできました。
「干し柿づくり」というのは、生きたもの、あるいは自然環境や気候を相手にした実験の繰り返しなのだなと思います。そして、その時その時のものや状況と対話しながらつくっていく、奥の深いものなんだと気づかされました。
人と自然との相互作用で生まれる干し柿は、芸術作品のように見た目にも美しく、また、人々にとっては冬の間の楽しみにもなる、甘さ・栄養ともに凝縮した美味しいお菓子として、昔から愛されてきたのだなと思いました。
日本各地に「干し柿」で有名な産地があります。例えば、出荷量で多いのは長野県の市田柿、山梨県の枯露(ころ)柿、富山県の三社柿など。新潟では、佐渡の「あんぽ柿」(おけさ柿)が有名ですね。各地の干し柿を味比べするのもまた面白いなと思います。
ちなみに桾沢家では、十日町の祖母の家の柿を使った干し柿と今回の干し柿の味比べしました。十日町の柿は、安養寺という山の中の集落の畑に植えられた甘柿に渋柿を接ぎ木してつくった特別な柿だということで、実は固くかなり小振りなのですが、小さく切ったひとかけらを口に含むだけでとてつもなく濃厚で甘く、角田山の柿よりも甘さがさらに上。一方、角田山の柿は濃厚でマイルドな甘みで、実が大きいので食べ甲斐があります。
柿は中国から伝わったといわれていますが、日本全国に幾種もの品種があり、古来より日本の風土と相性の良い果樹なのでしょう。
今後も「干し柿づくり」を続けていきます。
2015年、挑戦してみたいという方がいらしたら、10月頃にHP等でご案内をしますのでぜひチェックしてみて下さい。干し柿をつるす風景がこれからも続きますように。
これまでのレポートはこちら↓
●2014年干し柿づくり <前編>皮むき・柿干し
●2014年干し柿づくり <後編>手もみ
●2013年干し柿づくり(実験)
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「土着ワークショップvol.06 干し柿づくり」は、新潟市シティプロモーション認定事業
『にいがたアグリピクニック』(事業者:foodrop)のプログラムです。
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土着ワークショップvol.7 竹細工・煮ざるづくり レポート
2014年を締めくくる土着ワークショップは、「竹細工・煮ざる」づくり。12月7日、午前中の干し柿づくり<後編>に続き、KOKAJIYA2F室礼にて開催しました。
まずは、参加者のみなさんの嬉しそうな集合写真から。前日の大雪で足下の悪い中、柏崎、長岡、田上町からもご参加いただき、嬉しいかぎりです。
竹細工は身近にやる機会がなく、主催者の私(桾沢)もこの日の1週間前に、講師の阿部晋哉さんから教えていただき、初めて竹ひごを編みました。そんな初心者でもできるものとして選んだのは「煮ざる」。
今では家庭であまり見られませんが、お魚やお餅などを煮る際の、煮崩れやお鍋へのくっつき防止のために使われる実用品です。私も『日本のかご』(とんぼの本/新潮社)という本を見るまでは、全くその存在を知らなかったのですが、きれいな六角形の編み目が美しく、かべ飾りのようにも見えました。ぜひ作ってみたいと思い、KOKAJIYAからもほど近い西蒲区和納在住の竹職人・阿部さんと出会い、ワークショップ開催にいたりました。
さっそく「煮ざる」づくりをレポートしていきます。今回使用したのは、日本一の竹製品生産地、大分県別府産の真竹(マダケ)です。
予め阿部さんには、細くひご状に加工したものをご用意いただきました。竹細工は、編む前のひごにするまでが大変なのだとか。厚みや幅を一定にするひごづくりは難しいため、初心者でもできる基本の編み方「六つ目編み」を学びます。
最初に阿部さんの自己紹介(プロフィールはこちら)につづき、竹のお話。マダケという一般的な竹の種類で、11~12月に採り、苛性ソーダで漂白をして1ヶ月干したものを使っているそうです。マダケは新潟でも採れ、佐渡も竹細工で有名ですが、別府のものと比較すると少し堅いそうです。今回の「煮ざる」には、柔らかいものが向いているということで、別府の竹を使いました。一人ずつ配られたのは、24本の竹ひごと六つ目編みをきれいに編むための阿部さんお手製ガイドボード。以下、右綾バージョンの六つ目編みの紹介です。
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①ボードの真ん中で、最初に4本のひごで写真のように菱形をつくる。
②菱形の上側に5本目を自分に対し平行に、右斜め上向きの竹ひご2本の下にはさみ、5本目のひごの上にできた三角形をつくる2辺のひごの上下を入れ替える。
③この時、真ん中にきれいな正六角形をつくるように竹ひごの位置を調節する。
④菱形の下側に6本目を同じく自分に対し平行に、右斜め上向きの竹ひご2本の下にはさむ。6本目のひごの下にできた三角形をつくる2辺のひごの上下を入れ替える。これでまず最初の六角形ができます。
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参加者のみなさんのペースを考え、少しずつ区切って作業を進めていきます。
竹には節がありますが、その節も模様のうちということで、なるべく真ん中に節を集めます。
ボードの線を意識すると、きれいな正六角形が作れます。
ここまでできたら、次の6本を編み込んでいきます。まずは先生の見本から。
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⑤時折、竹同士が滑ったりしないように、霧吹きなどでお水をかけます。7本目は、右斜め上向きの竹ひごのうち、たて軸中心に近い方から2本持ち上げ、その下に自分と平行に挟みます。
⑥7本目の上部に三角形の隙間ができたことを確認したら、今度は、その三角形をつくる上2辺にあたるひごを交差させ、上下を逆転します。
⑦続いて、ボードごとひごを60度右に回転させ、7本目同様、8本目を自分と平行に挟んでいきます。そして、8本目のひごの上部にできた三角形のうち、上2辺を交差させます。
この作業を繰り返していくことで、上下のひごを交差させる回数が徐々に増えていきますが、6本ずつを一周として、編み込んでいきます。
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参加者のみなさん、最初はなかなか手こずっていらっしゃいましたが、阿部さんに一人ずつ見ていただきながら、少しずつ進めます。時折、お隣の方に聞きつつ、和気あいあいと作業をなさっていました。
途中、竹細工を編む手の動きが面白いなとみなさんの手を眺めていました。
というのも、竹は弾力があるので、竹からの反発力を感じつつ交差させたり、六角形を綺麗に保つためにひごを押さえたりと、けっこう作業中は神経を使うのです。その緊張感のようなものが伝わってきて、竹細工の面白さの一端に触れたような気がしました。
そして集中するみなさんの傍らでは、子どもたちが楽しそうに、灰いじりをする光景が…。土着ワークショップをきっかけに子どもたちもお友達になりました。
編み込み作業も佳境を迎え、いよいよきれいな編み模様が形になってきました。
竹の素のままの美しさがよくわかるこの編み模様。光に当たるととてもきれいです。
こうしてボードの上でみても編み目が揃っています。
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続いて、仕上げ作業へ。トウ(籐)で端っこのひごを8本ずつ結びます。この時、煮ざるが鍋の内側などにフィットしやすいよう、竹ひごに力を加え、カーブをつくります。たくさん湿らすと曲げ易いです。
お腹に煮ざるをあてて、裏から結び目を作りたい部分をつまみながら、トウを巻き付け固く結びます。
トウにも節があるので、節部分を避けながら結びます。
みなさん、最後の仕上げまで真剣です。
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そしていよいよ、完成!!ここまでお話も含め2時間半ほどでしょうか。なんとか形にできました。続いてお楽しみにとっておいた、作業後のデザートの時間。一足早く味見ができるということで、今年できたての「DAIDOCOシュト―レン」(今年の予約受付は終了しています)をいただきました。
毎度ながらDAIDOCOのシュト―レンは本当に絶品!完成した煮ざるにのっけている方も。
こうして、おいしい&うれしい初開催の土着ワークショップ「竹細工・煮ざるづくり」は、終了いたしました。参加者全員が「煮ざる」を形にすることができ、主催者としては正直ほっとしています。みなさま、ありがとうございました!!
今回、参加したくて叶わなかった方も、またぜひやりたいと思います。ぜひホームページなどでチェックしてみてください。
土着ワークショップvol.6 干し柿づくり <後編>レポート
大変な初雪に見舞われた翌日の12/7、なんとか雪もおさまり、予定通り「干し柿づくり<後編>手揉み作業」をおこなうことができました。そのもようをレポートします。
干し柿づくり<前編>レポートはこちら。
今年は「いわむろや」と「KOKAJIYA」の2箇所で、軒下に干した柿。11/3に干して4週間あまり経ち、いったん干場からおろします。
こちらはいわむろやの軒下からおろした柿。
干したときはこんな橙色でしたが、茶色味を帯び、小さくなって旨味が凝縮しています。
心配していたカラスに食べられるなどの問題はほとんどなく、いい具合にできていました。
さっそく、干し柿クリップを取り外し、白い粉付きの甘い干し柿にするため、1個1個手揉みをし、冷たい空気にさらしていきます。
講師の高塚さんのお話では、柿の表面が固くなっているので、素手で触っても問題ないとこのこと。中は水分を含んでまだとろーりと柔らかい状態のせいか、触り心地がとてもよいです。
子どもも興味を持ったようで、一緒に「もみもみ」をやってくれました。
中には、カビが生えてしまった干し柿もありました。カビの部分が小さければ、そこを削り再び熱湯に浸け、もう一度干せば、食べられると知り、丁寧にカビを除いて、改めて干すことに…。無駄にしない、その工夫も大事ですね。
白い粉は「果粉」と呼ばれ、柿の糖分が結晶化して、外に表出してきたものだそう。温度が高かったり、水分(湿気)がたまると、カビが生えてしまうので、干し方にも注意を払います。昔は乾いた藁(ワラ)を敷いて、その中に干し柿を置いて冷暗所で保管したとも聞きます。今回は、小鍛冶屋にあったお盆やお膳の上にキッチンペーパーを敷いた上に並べ、冷所に保管します。
干し柿の熟成した色合いがなんとも言えず、美しいです。
保管場所に選んだのはKOKAJIYAの階段。庭に面した廊下に接していて、適度に空気の流れがあり、温度も低い場所です。
たまにチェックをしながら、ひっくり返すという方法をとります。さて、仕上がりがどんなふうになるか、今からドキドキです。
こちらは、参加者のお一人が持ってきてくださったご自宅の干し柿。11/3の<前編>で配布した同じ柿でしたが、こちらの方が乾燥具合が強く、かための干し柿になっていました。やはり、干し場所で全然違うものができるということを確認しました!
参加者のみなさんには、干し柿が完成次第、KOKAJIYAまで取りに来ていただきたいと思います。後日、お渡し日を電話にてご連絡しますので、お楽しみになさっていてください!!
完成した干し柿についてはこちらへ。
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「土着ワークショップvol.06 干し柿づくり」は、新潟市シティプロモーション認定事業
『にいがたアグリピクニック』(事業者:foodrop)のプログラムです。
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土着ワークショップvol.6 干し柿づくり <前編>レポート
秋深まる11月3日、「土着ワークショップvol.6 干し柿づくり」の前編、柿干し作業を行いました。今回は室礼を飛び出し、「いわむろや」さんでの開催。昨年初めてKOKAJIYAの軒下で干し柿をやってみて、とても美味しくできたので、今年は場所を2箇所でやってみることに。
使用した渋柿は、西蒲区巻の柿団地で柿農家をやっていらっしゃる長津さんの柿。たくさんの柿ネックレスを作りたかったので、味に何ら影響もない、市場には出せないものも含め、約300個(50kg!)もご提供いただきました!市場に出ないとはいえ、立派な柿たち!
KOKAJIYAスタッフでもある吉岡ちえみさんのご紹介で、こんなに沢山の柿を提供いただいたのですが、柿団地近くの越前浜に住む吉岡さんは、今年初めて柿収穫のお手伝いをしたそうです。通称「柿ガール」と呼ばれる柿農家のお嫁さんやお手伝いをされるみなさんが、お揃いのTシャツを着て、柿もぎをしたり、共通の趣味であるトレイル・ランニングの際に角田山麓の柿をPRなさっているのだとか。とてもユニークな活動だなと思います。メンバーも募集中とのこと。ご協力に感謝です!!
講師にお願いしたのは、今年も秋葉区・タカツカ農園の高塚俊郎さんです。さすが!の手際の良さで、干し場の準備を一緒にやって下さいました。
全員が集まり、干し柿についてのお話からスタート。柿の種類(今回は平核無(ひらたねなし)という品種)が千種もあること、「八珍(はっちん)柿」の原木が新津にあること、また「なぜ渋柿は、干すと甘くなるのか?」、「ごまの正体は?」といったお話まで伺いました。
お話の間、タカツカ農園の看板柿「はっちん柿」、「ごまはっちん柿」(柿が苦手な方も食べやすい!)を「いわむろや」で販売されている柿の葉茶とともに試食。とっても美味しかったです!秋の味覚を満喫したところで、さっそく皮むき作業へ。
お好みですが、今回はおしり側から剥いていきます。
最後にヘタの部分を綺麗に四角くなるよう切っていき、余分な部分を除きます。
この皮むき作業、とても地味ですが、大人数でおしゃべりしながらやると案外楽しいです。
そして次々と綺麗に剥かれた柿が並ぶと、なんとも言えないかわいさ、「実り」へのありがたい気持ちがこみ上げます。
また事前に高塚さんが3週間程度干した干し柿を見本に、手揉み作業のコツも教わりました。
この手揉み作業は、干し柿の中から糖分を染み出させる(果粉と呼ばれる白い粉=糖分の結晶を出す)ために大切な作業とのこと。
みなさんが作業している間に、夏井の農家・山上さんが様子を見に来られ、ワンポイントアドバイスとともに、差し入れにご自宅でとれた柿をいただきました!
せっかくなので、柿を並べてみました。上が今回の柿、左がタカツカ農園の柿(大玉!)、一番右が山上さん宅の柿です。どれも美味しそう...
続いての作業は、熱湯での加熱消毒。10秒程度熱湯にくぐらせるだけで、カビが生えるのを防止してくれるそうです。あまり浸けすぎると柔らかくなってしまい、干しにくいので注意!
湯にくぐらせた柿は、すぐに干し場へ持っていきます。
柿農家さんのやり方を真似て「柿クリップ」と呼ばれる、便利で何年も使える市販のクリップに柿のヘタの下の部分をひっかけていきます。これがとても簡単で、柿の表面に紐などが当たって傷つかず、きれいな干し柿に仕上がるのだそうです。
柿のオレンジが、クリスマス飾りのようでとても楽しい作業です!
熱湯消毒をしたお鍋のお湯は、柿を浸けただけなのに、こんなに茶色になっていました!柿渋の色のよう。次回は、柿渋づくりにも挑戦したいなという気持ちがふつふつと湧いてきました。
無事に作業を終え、お楽しみの「まかないランチ」タイムです。
KOKJIYAの熊倉シェフこだわりの、“柿”と“牡蠣”と“かきのもと”をかけた言葉遊びランチ。
・牡蠣の時雨煮とからすみの出汁茶漬け
・かきのもとのおひたし
・シオコッティ(KOKAJIYA汐見シェフによる特製ビスコッティ)
・大学いも
・柿の葉茶
という“かき”づくしメニューでした。子どもたちも美味しく分け合って食べていました。
こうして「いわむろや」の軒下に初めて完成した柿ネックレス。
わずかではありますが、微笑ましい晩秋の風景がつくれたかなと思います。参加者のみなさま、ありがとうございました!!そして、沢山の皮むき作業、お疲れ様でした。
<後編>の手揉み作業は12/7(日)の午前中にKOKAJIYA2F室礼にて行います。
→後編のレポートはこちらにアップしました。
<ワークショップのその後・・・>
ワークショップ終了後、今年もKOKAJIYAの軒下に干し柿をぶら下げました。やっぱりこの風景、絵になります。
KOKAJIYAのスタッフやシェフも仲間入りして、なんだか楽しそう。
こうして今年も無事、柿ネックレスができました。あとは、秋から冬にかけて吹く冷たい風や岩室の空気に任せるだけ。
きっと今年の干し柿もうまくいくような気がしています。どうぞお楽しみに!!
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「土着ワークショップvol.06 干し柿づくり」は、新潟市シティプロモーション認定事業
『にいがたアグリピクニック』(事業者:foodrop)のプログラムです。
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