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【にいがたアグリピクニック】稲刈り&はざ架け編 振り返りレポート
ツイート~「はざ架け米プロジェクト」レポート~
【にいがたアグリピクック】 稲刈り&はざ架け編
昨夏の終わりに開催した【にいがたアグリピクック】の振り返りレポートをお届けします。
晴天に恵まれた、収穫日和の9月18日。「夏井のはざ木」で知られる西蒲区夏井の田んぼでは、5月に岩室小学校のみなさんが一つ一つ手で田植えをした稲が、黄金色になり、たわわに穂を垂らしていました。
今回は小学生からバトンを受け取り、県内4大学(長岡造形大・新潟薬科大・新潟青陵大・新潟青陵大短大)のかわいい学生さんたちと共に、一般参加者のみなさんを交えた「稲刈り&はざ架け」体験を行いました!
朝から暑くなる予感たっぷりのモヤッとした空気の中、やる気まんまんで集まったメンバーたちを前に、はざ架け米プロジェクトを引っ張っているリーダー・小倉壮平いわむろや館長よりひとこと。小倉さんは東京からの移住組で、数年こうして地元岩室の方々と稲作を一緒に行ううちに、すっかりご自身も田んぼの魅力にはまってしまったようです。
そして「アグリピクニック」と題し、初夏からスタートした「農作業×まかない」を楽しむこのプロジェクトについて、企画した山倉あゆみが、その魅力についてお話しました。
今回の「稲刈り&はざ架け」編の目玉は、何といっても、作業後のピクニックランチ!たっぷり汗をかいた後に、畦道にキッチンカーがやってきて、田んぼのすぐ脇でいただくお米の味は格別なものです。
一同期待も高まったところで、田んぼへ歩いて移動。
途中、水路にいる魚や、田んぼにいるタニシ、蛇の抜け殻を見つけて、大はしゃぎです。指導・案内役の山上力さん、阿部朝幸さんも嬉しそう。
田んぼに着くと、山上さん、阿部さんから作業の流れ、鎌の使い方などを教えていただき、いよいよ各々鎌を持って、稲刈り作業開始です。
小さな子どもから大人まで、わいわい稲の束を刈っていくこの作業。単純ですが、すごく腰にきます。一昔前まではこれを全て手作業でやっていたと思うだけで気が遠くなります。でもみなさん、楽しそう。
数本の稲をまとめた束を、後でワラで一括りにする(この辺りでは「まるける」と言う)作業をしやすくするため、「x」のようにして、少しずつずらしながら、稲束を置いていきます。だんだんリズムができてきて、あっという間に刈り作業は終了。
刈っている最中に気づいたのは、田んぼに生えている下草の種類の多さやカエルやトンボなどの生き物たちの存在。当然ながら、田んぼはこうした生物たちの住処でもあり、外から田んぼを眺めるだけではわからない、触れてみて初めて気がづく“いきものたちの世界”がそこにはありました。
続いて、はざ架けしやすいよう稲の束をつくる「まるける」作業へ。
ベテラン農家さんやお手伝いにいらしたご近所のおばあちゃんに習いながら、最初は見よう見まねで、たどたどしくまるけていましたが、少しずつ様になる人もいれば、最後まで苦戦した人も…。腰、ひざ、腕、手先…と、身体の使い慣れていない部分をいっぱい使いながらまるける作業を黙々と続けて数十分。そこには稲束の山ができました!
そして今度は「はざ架け」の工程です。ここまでレポートではさらりと進みましたが、この間蒸し暑くて汗だくで、熱中症にならないかと、ふと不安になるほど喉が渇きます。農家さんの日々の作業には頭が下がる思いです。
こうして苦労してまるけた稲束を、一つ一つ、はざ木(トネリコの木)に竹で橋渡しをしたところへ架けていきます。
高いところは、農家さんに手伝ってもらいながらのはざ架け。稲束でできた黄金色の壁を見て、なんともいえない充実感を味わうことができました。
作業後は、みんなで記念撮影!みなさんとってもいい笑顔です。
当日はBSNテレビ「ダイばん!」の取材も入っていたので、大学生たちは作業を終えての感想を思い思いにカメラの前で語っていました。
続いてはお楽しみ・「ピクニックランチ」の時間です。
畦道にやってきたキッチンカーから現れたのは、ピクニック用のシートとアウトドア用の机!一瞬ではざ木の並ぶ畦道がランチ会場に仕立て上げられました。
まかないの内容は、2014年定番となった新米のお茶漬けと、この日のための特別メニューで構成された色とりどりのおかずたち。
メニューはこちら↓
・山古志牛のしぐれ煮 新米茶漬け(きりあえ入り)
・干しカブと身欠きニシンの煮物
・ふろふき大根 永塚農園のししとうみそをかけて
・ずいきの酢の物
・岩崎食品さんのハリハリ漬け
みなさん好きな場所に腰かけて、「いただきます!」
もちろん、お米もおかずも期待以上の味でした。お米をつくる現場、土の匂いのするこの場所で、弥彦山・角田山を遠くに眺めながら、こうして食べられる幸せをかみ締めました。
農家さんたちの後ろ姿もすてきです。
夏井の田んぼのこのはざ架けで得られるのは、天日乾しされた美味しいお米だけではありません。
「稲ワラ」も大事な資源です。かつては当たり前にあって、生活のあらゆる場面で使われた稲ワラも、今ではほとんどが活用されずに捨てられるというのが現実。ワラ細工やワラ灰など、稲を穂先から根元まで使い尽くしてきた、先人たちの知恵には、きっとこれからのヒントがいっぱいあるはず…。
というわけで、10月には、この時のはざ架けで得られた稲ワラを使ったワラ細工のカマダイ(鍋敷き)づくりを行いました。その模様は「土着ワークショップvol.5カマダイづくり」レポートをご覧ください。
今回のアグリピクニックを通して、お米を食べるだけでは見えてこなかった、稲作の魅力について、自分が作ることに関わることで少し垣間見れたような、そんな貴重な体験ができました。
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「にいがたアグリピクック 稲刈り&はざ架け編」は、新潟市シティプロモーション認定事業
『にいがたアグリピクニック』(事業者:foodrop)のプログラムです。
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