ENZA(えんざ)

ENZAワークショップvol.08 「竹カゴ(六つ目カゴ)」づくり 参加募集中!

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「そこにあることを、自分ができることに変えていく」というテーマのもと、一つの場をぐるりと囲んで寄り集まり、ともに経験をしながら、個々の興味を深化させていこうと始まった「ENZA」。

次回の開催が8月12日(月・振休)に決まりました!
2年前の「ENZA」で出会い、その2ヶ月後にワークショップをさせていただいた大分県由布市の竹細工職人・三原さんご夫妻を再び講師にお招きします。前回は竹ヒゴを縦横直角に編んでいく「四つ目編み」のかごでしたが、今回は「六つ目編み」の竹カゴづくりに挑戦します。
蒸し暑い夏にぴったりな涼やかな青竹カゴ。竹細工の本場である大分で修練を積んだお二人から、基本的な竹細工の編み方の一つである「六つ目編み」と竹ひごのしなりを生かした縁の仕上げ「共縁(ともぶち)」の方法をじっくり学びます。
お二人は竹細工職人として制作・展示・販売などの活動をする傍ら、昔ながらの土間、かまど、薪風呂の残る築60年の自宅で農村民泊の受け入れも行っていらっしゃいます。民泊は2017年からスタートしたとのことで、前回は準備をなさっている頃のお話でした。今回はその後談も含め「火のある暮らし」「竹、地域とともにある暮らし」について、ぜひ掘り下げてお話をうかがいたいと思います。
新潟でお二人のワークショップを体験できるのは、なかなか無い貴重な機会です。多くの皆様のご参加、お待ちしています!

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●日時と場所:
2019年8月12日(月・振休) 14:00~17:00
KOKAJIYA2F室礼(新潟市西蒲区岩室温泉666)
 
※駐車場は「いわむろや」の駐車場をご利用ください。

●講師:
笑竹堂 竹細工職人 三原啓資さん・萌枝さんご夫妻
【講師プロフィール】
三原啓資、1968年岡山生まれ。三原萌枝、1985年新潟生まれ。ともに大分県竹工芸訓練・支援センター(別府市)を修了。のちに結婚し、大分県由布市の里山で夫婦で自ら山に入り、竹を切り出し、暮らしの道具として使いやすく丈夫なかご作りを続けている。2017年からは、自宅である昔ながらの土間、かまど、薪風呂が残る築60年の古民家で、火のあるくらしを体験できる「農村民泊」の活動も行っている。
屋号:笑竹堂(しょうちくどう)

●内容:
・青竹カゴ(直径19㎝、高さ9㎝)づくり
※編み方は六つ目編み、縁の処理は共縁です
・竹カゴ、由布市での暮らしにまつわるお話

●参加費:4,500円(材料講習費込)

●定員:12人

●申し込み・お問い合わせ:
TEL 080-4051-1211(ぐみざわ)or メール(info@bricole.jp)まで。
「ENZAワークショップ参加希望」とお伝えのうえ、「お名前、連絡先、参加人数」をお知らせください。

●主催:Bricole(ブリコール)
●協力:KOKAJIYANPO法人いわむろや
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<参加者の方へのお願いとお知らせ>
※古民家での開催ですので、なるべく涼しい服装(気になる方はエプロン持参)でお越しください。
※会場は暑くなることが予想されますので、熱中症予防のため、飲み物を各自ご持参いただくか、1階レストランにドリンクをご注文いただくことも可能です。また「灯りの食邸 KOKAJIYA」のランチもオススメです。ぜひワークショップ前に合わせてお楽しみください。その際はお盆時期のため、お早めにご予約を!

◎三原さんご家族(今年はもう一人赤ちゃんが増えています!)笑顔がすてき [笑竹堂faceboookより]
三原さんご家族

◎今回つくる竹かごの完成イメージ
完成竹かごイメージ

◎前回のワークショップの様子 (↓レポートへのリンク)
三条スパイス研究所でのワークショップ(2017.8.7)
KOKAJIYA2F室礼でのワークショップ(2017.8.9)

2017竹かごWS01

2017竹かごWS04

2017竹かごWS03

2017竹かごWS02

竹かごご案内02

Posted on 2019-07-19 | Posted in ENZA(えんざ), お知らせ, イベントNo Comments »

 

ENZAワークショップvol.07 竹細工と絵付けの「笊かぶり犬」

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子どもが笑顔で元気に育ちますように…。

笊をかぶったユニークな形が愛らしい「笊かぶり犬」という犬張子の縁起物をご存知でしょうか。
犬張子はその由来をたどると、平安時代、穢れや災いを払うため宮中に置かれた狛犬(こまいぬ)が原型なのだとか。その後犬筥(いぬばこ)、お守り犬など様々な地域ごとの変遷を経て、江戸で広まったのが現在の犬張子の玩具。現在も犬は比較的お産が楽だということから安産祈願、赤ちゃんが生まれると初宮参りに犬張子を贈ったり、お守りや寺社の授与品としていただいたりする風習が残っています。
今回はその中でも「竹でできた笊」を被せることで「竹」+「犬」=「笑」、子どもが笑顔で若竹のようにすくすく育ちますようにという祈り、また笊が風を通すので鼻づまりを防ぐ、疱瘡除けといったまじないがこめられた「笊かぶり犬」を作ります。
西蒲区在住/竹細工作家の成田文香さんに竹細工の基本編みの一つ、六つ目編みの笊(ミニかご)を習い、佐渡産の真竹を使ったオリジナルの六つ目かごを作成。それを張子犬にかぶせ、張子には自由に絵付けをほどこします。ただ買うのでなく自分で物を作ると、とてもいい思い出そして宝物になります。連休の始まりに、お子様や家族や友人に向け想いを込めた「笊かぶり犬」を作ってみませんか?
会場は近年まで稼働していた木型を作る工場。人と機械と道具たち…工場の記憶が染み込んだぬくもりある場所で、一緒に楽しいひと時を過ごしましょう。当日は成田さんの作品(展示販売)や、「笊かぶり犬」の絵付けキット(笊付き/持ち帰り用)もご用意いたします。皆様のご参加をお待ちしております!

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ENZAワークショップvol.07 竹細工と絵付けの「笊かぶり犬」

日時:2019年4月28日(日)10:00~15:00(お昼休憩あり)
会場:荒川木型工場 新潟市東区山木戸7−2−58

※駐車場はご参加の方にお知らせいたします。
参加費:4,000円(材料・講習費込み)
講師:成田文香(竹細工作家)
世話人:桾沢厚子(ブリコール)
定員: 5人(定員となりました。ありがとうございます)
申込み方法:TEL 080-4051-1211(ぐみざわ)
MAIL info@bricole.jp まで

※当日キャンセルの場合は、後日参加費の同額をいただき「笊かぶり犬の絵付けキット」をお渡しいたします(送料は別途)ことを予めご了承ください。

会場協力:荒川洋子
企画:ブリコール

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<講師プロフィール>
成田文香(なりた ふみか) 竹細工作家
新潟市西蒲区在住。1984年生まれ。別府の大分県竹工芸訓練センターで竹細工の技術を学び、2013年に家族で新潟市へ。竹細工職人・阿部晋哉氏の工房に通いながら製作経験を積み、現在は楕円かごや角物など自身でオリジナルの作品製作に取り組んでいる。

〜成田さんの作品より〜
佐渡の真竹を使った、どれも丁寧で優しいつくりの竹製品です。いつも使い手のことを考えて製作されている成田さんの作品を見ていると心が和みます。
成田さん作品01

成田さん作品02

〜打合せでの一コマ〜
成田さん(左)に会場写真をみていただいています。
打合せ風景

いくつかひごや編み目の幅を変えて試作品を作ってくださいました。笊の縁はトウ(籐)で仕上げます。大きさは直径10cm程度。
打合せ中01

参考にした虚無僧のような、東京いい田の笊かぶり犬。古いものです。
虚無僧笊犬

絵付け前の白い体の犬張子。ここにどんな模様を描くのか楽しみです。
白い笊かぶり犬

見本用に桾沢が絵付けしたもの。2人の子供の誕生日花(紅花とヤドリギ)を調べて両側に描いてみました。前かけには大好きなしめ縄!
絵付け後

参考までに、以下これまで開催した竹細工ワークショップです。
・六つ目編み(「煮ざる」)レポート
・四つ目かご(「竹カゴ」)レポート その1 その2

〜参考文献〜
・木村吉隆「江戸の縁起物――浅草仲見世助六物語」(亜紀書房/2011)
・畑野栄三監修「神様とご利益がわかる 日本のお守り」(池田書店/2012)
・池田照「私の『巨泉おもちゃ絵百選』」(長崎文献社/2017)
・佐々木一澄「てのひらのえんぎもの 日本の郷土玩具」(二見書房/2018)
・木下亀城・篠原邦彦共著「日本の郷土玩具」(保育社/1962)
・いせ辰「いせ辰 江戸千代紙」(ピエ・ブックス/2009)

〜参考サイト〜
・「今様職人尽百人一首」(江戸中期の享保年間刊)の張子師
近藤清春の画と狂歌で江戸時代の職人の姿「百種」のうちの一つとして紹介されている。
「かみをいためいま上塗の絵具はき仕上げて手間をかかるものかな」と添えられている。
張子師
昭和3年・1928年刊・国立国会図書館所蔵
引用サイト:https://www.benricho.org/Unchiku/edo-syokunin/02imayosyokunin/harikoya.html

・「人魚洞文庫データベース:おおさかeコレクション」の東京犬張子
大正から昭和にかけて全国の郷土玩具を描いた「おもちゃ絵」で知られる川崎巨泉の犬張子(当時の)の絵を見ることができる。
データベース:https://www.library.pref.osaka.jp/site/oec/ningyodou-index.html

Posted on 2019-03-20 | Posted in ENZA(えんざ), お知らせ, イベントNo Comments »

 

ENZAワークショップvol.06 稲わらと古布で作る「流しびな」

2019年が始まりあっという間に一ヶ月。新潟はようやく雪も降り、冬らしさを感じます。遅ればせながら、本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

さて、2月にKOKAJIYA 2F 室礼にてワークショップを開催します。雛祭りに合わせた「流しびな」作りです。開催の頃には、あのカラフルで暖かな《春》が訪れる楽しみがぐっと増していると思います。しかも、岩室温泉街は「ひな巡り」まっ最中。温泉巡りにランチに、そしてワークショップに。どうぞふるってご参加ください!

ENZAw006
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ENZAワークショップvol.06 稲わらと古布で作る「流しびな」

ひな祭りの元となった年中行事を参考に、桟俵(さんだわら)という稲わらで編んだ船に、紙と古布で作るひな人形と春の小花をあしらい、愛らしい「流しびな」を作ります。

日時:2019年2月24日(日)14:00~17:00
会場:室礼(KOKAJIYA 2階)西蒲区岩室温泉666  ※駐車場は「いわむろや」駐車場をご利用ください。
参加費:3,500円(材料・講習費込み、茶菓子付き)
講師:山際辰夫、桾沢厚子 定員: 10
申込み方法:TEL 080-4051-1211(ぐみざわ)
MAIL info@bricole.jp
まで

 

仕上げ

藁細工初心者の方も楽しく作業ができます。
折り終了

大ベテランの山際辰夫さんにコツを伝授いただきます。
丸め込みとかがり作業

色とりどりの古布を使って紙びなを作ります。
古布

当日は出来上がった「流しびな」とともにKOKAJIYAのお茶&お菓子もいただきます。
お茶会スタート

贈り物や飾り物としてもおすすめです!

以前のワークショップの様子はこちらから↓(ご参考まで)

流しびな作り①桟俵(さんだわら)
流しびな作り②紙びな&折形
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Posted on 2019-01-28 | Posted in ENZA(えんざ), お知らせ, イベントNo Comments »

 

11/23-26『ENZAの屋根裏縁日』開催!!@北方文化博物館・屋根裏ギャラリー

ENZAでの出会いから生まれた企画展
『ENZAの屋根裏縁日 by Bricole』開催のご案内

 ENZA縁日

「そこにあることを、自分ができることに変えていく」というテーマのもと、一つの場をぐるりと囲んで寄り集まり、ともに経験をしながら、個々の興味を深化させていこうと始まった「ENZA」。私たちブリコールは、ENZAの前身である土着ワークショップ、いろり座談会、KOKAJIYA2F 室礼での活動を通じ、これまで様々な「自らの手から何かを生み出す人達」と出会いました。

このほどブリコールの4年を振り返り、出会ったご縁のある方々の手から生み出された品々を集め、展示販売をさせていただく企画展『ENZAの屋根裏縁日  by Bricole』を開催いたします。ものとものを生み出す人、地域との関係性などに目を向け、「暮らし」のこれからについて思いを巡らす場を目指したいと考えております。

会期中、県内外の作り手による藁・竹細工、焼物、木工、農産物の展示販売に加え、2つのイベント(民映研『うつわ』上映会&トーク、民具の茶話会)、体験ワークショップ(麦わら、竹・藁細工、花活け)を予定しております。紅葉の美しい晩秋のひととき、北方文化博物館の屋根裏ギャラリーへ是非お運びください。

<開催概要>
●日時:2017年11月23(木・祝日)~26日(日)10:00~19:00
●会場:北方文化博物館 屋根裏ギャラリー
(〒950-0205 新潟県新潟市江南区沢海2-15-25)
●入場無料(無料駐車場あり/会場に近い「正面側」駐車場をご利用下さい)
※期間中北方文化博物館では、紅葉のライトアップを19時まで開催中!(入館料大人800円)

●主催:ブリコール
●後援:北方文化博物館
●問い合わせ:info(アットマーク)bricole.jp 080-4051-1211 桾沢(ぐみざわ)

=出品いただく人ともの=
● 山際辰夫さんの藁細工 玉〆め&注連縄飾り、鳥のしめ縄、箒類
● 山際ハツさんのイグサ細工、布草履
● 山上力さんのお米
● 阿部晋哉さん竹細工
● 成田文香さんの竹細工
● 「木工房きの」成田祥二さんの木工製品
● 「タカツカ農園」高塚俊郎さんの米、ジャムなど加工品
● 「越後みそ西」さんの味噌と味噌漬け
● 「伍竹庵」五月女大介さんの竹細工
● 「笑竹堂」三原啓資さん・萌枝さん夫妻の竹細工
● 「日知舎」のおえ草履(見本展示)
● 吉田明さんの焼物
● 入田正幸さんの焼物
● 「工房 るるの小屋」山崎修さんの木工製品
● 小林弘樹さんの雑誌『Life-mag』
● 「ブリコール」の本、古書、フリーペーパーなど

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=========会期中のイベント その1=========(※ゲスト敬称略)
=民映研による記録映像『うつわ』上映会&トーク=
11/23(木・祝)15:00~17:00
●参加費:1,000円(上映会+トーク)
●定員:30名程度 【要予約】

『わたしたちの身のまわりには、長い歴史の流れを受け継ぎながら、今に生きている生活文化がある。日本的なうつわ(食器)もそうである。その源流と展開を日本全域に訪ねた。』
――遠い昔から今日に至る「日本のうつわ」を全国26カ所を訪ねて追った民族文化映像研究所の映像作品『うつわ』を鑑賞した後、古陶・古窯を研究しながら「やきもの」の初源を見つめてきた吉田明氏に長年連れ添った吉田文子さんにお話を伺います。

うつわイメージ
●民族文化映像研究所作品『うつわ -食器の文化-』(1975年、41分)上映会
演出・姫田忠義 撮影・伊藤碩男 製作・小泉修吉 監修・宮本常一 音楽・林光 ナレーション・糸博

1976年日本の基層文化を映像で記録・研究する事を目指して発足し、計119本の映画作品を残した「民族文化映像研究所」。その発足前に撮影され、のちに研究所所長となる姫田忠義氏の師で民俗学者の宮本常一氏と、音楽家の林光氏が製作に関わった記録映画。この作品を契機に、後に「奥会津の木地師」「椿山~焼畑に生きる」という作品が生まれた。映像後半に出てくる解説の声は、宮本常一氏の肉声。また冒頭の与那国島でクバの葉で湯を飲んだり、加曽利貝塚で縄文土器で粟を煮て食べている男性は姫田氏本人。

 

●アフタートーク「吉田明さんのうつわ」
ゲスト:吉田文子(ギャラリーやきもの語り 吉田明作品館)
聞き手:桾沢厚子(ブリコール)

【プロフィール】
吉田明
1948年青梅市生まれの陶芸家。焼物の原点を見つめ朝鮮古陶、古窯を踏査、研究。奥多摩を拠点に三島、粉引、刷毛目、白磁、唐津など多彩な技法と発想で作陶。2005年十日町へ移住し「妻有焼」を興すも2008年惜しくも急逝。

吉田文子
1946年東京生まれ。1991年八王子にギャラリー「陶泉房」を開く。94年青梅へ移り、翌年吉田明と弟子達の作品を扱う「陶房 吉田」と「やきものショップ 陶」を経営。その傍ら居酒屋「すいとん屋」の女将もこなす。2006年十日町へ移住。現在、吉田明という人間や作品の伝え手として活動。

 

=========会期中のイベント その2=========(※ゲスト敬称略)
民具の茶話会イメージ

=民具の茶話会=
11/24 (金)14:00~15:30
ENZAの屋根裏「縁日」記念座談
~新潟の民具について語ろう~
●参加費:800円(お茶菓子代込み)
●定員:20名程度 【要予約】
 

わらや竹の民具を中心に、北方文化博物館にある道具も含めた「新潟の民具」のお話を座談者たちに伺います。

座談者:五十嵐稔(新潟県民具学会会長)、田中茉莉恵(北方文化博物館)
聞き手:桾沢厚子(ブリコール)
※13:00~14:00藁細工職人・山際辰夫さんによる「注連縄(しめなわ)づくり」実演も行います

【座談者プロフィール】
五十嵐稔
1931年三条市生まれ、同市在住。県立三条実業高等学校卒、三条市役所勤務、退職時三条市立図書館長。現在、新潟県民具学会会長、日本民具学会評議員、古々路(ここじ)の会代表。『三条市史』『新津市史』ほか多数の新潟県内の市町村史の調査・執筆を手掛ける。

田中茉莉恵
1982年三条市生まれ、同市在住。新潟大学教育人間科学部芸術環境創造課程でピアノと音楽マネージメントを学ぶ。2007年より北方文化博物館に勤め、現在総務と学芸を兼務。地主伊藤家が遺したものと来館者をつなぐ企画を実施。

=========会期中の体験ワークショップ=========
ENZA の縁日ワークショップ
◆11/24(金)10:30~12:00、15:30~17:00のうち随時
【ストロー細工】わら馬
麦わらを使って、馬のオーナメントをつくります。お守りにしてもかわいいです。
わら馬
【参加費】500円
【案内役】山下真有さん
新潟市東区在住。北欧工芸ヒンメリに出会い、仕事の傍ら自宅にて製作をしている。2017年3月、北欧工芸研究会設立。

◆11/25(土)10:30~12:00、13:30~15:30のうち随時
【竹細工】六つ目編み
竹細工の基本の編み方の一つ、六つ目編みで好みの形のオーナメントをつくります。
六つ目あみ
【参加費】500円
【案内役】成田文香さん
新潟市西蒲区在住。1984 年生まれ。別府の大分県竹工芸訓練センターで竹細工の技術を学び、2013年に家族で新潟市へ。現在、阿部晋哉氏の工房に通いながら作品製作に取り組む。

◆11/26(日)10:00~12:00
【わら細工】カマダイ
カマダイとよばれる鍋敷きをつくります。
かまだい
【参加費】大1,500円 小1,000円
【案内役】桾沢厚子(ブリコール・ENZA世話人)
新潟市東区在住。2013年にカマダイと出会いその造形美に惹かれ、藁細工職人の山際辰夫さんの元へ通うようになる。以後、藁細工に触れてもらうワークショップなどを開催。

◆11/26(日)13:00~14:30
【花活けパフォーマンス+ワークショップ】
客人をもてなす花活けとは? 花と向き合い「見えない心」を花に託す。その方法を独自に深め磨いてきた花人・佐藤るみ子さんにコツを伝授していただきながら、じっくり自分の心と向き合う花活け体験を行います。
※作品はお持ち帰りいただけます
花活け
【参加費】2,500円(うつわ代込み) 【定員】10名【要予約】
【持ち物】花ばさみ又はたちばさみ(持っている方)
【案内役】佐藤るみ子さん
三条市居島「フローリスト・ルミノ」の店主。40年近く花に携わり、芸術や文化への深い造詣に裏打ちされた、儚さと強さが同居する独創的な表現で花生けを追求し続けている。

 

※参加費は材料費込み。
※材料がなくなり次第終了となります。
※【要予約】の回以外は、直接会場へお越しください。
※同時に作業できる人数を超えた場合、お待ちいただくかもしれませんが、その際はご了承ください。

◆ご予約:お問い合わせ先:080-4051-1211  
info(アットマーク)bricole.jp 桾沢(ぐみざわ)まで

チラシ01

チラシ2

 

11/5 (日)ENZA Workshop-#005「干し柿」開催!【参加者募集中】

enzaw005hoshigaki

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ENZA Workshop#005 「干し柿作り」(HOSHIGAKI)  
前編「皮むき&干し作業」

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「そこにあることを、自分ができることに変えていく」というテーマのもと、一つの場をぐるりと囲んで寄り集まり、ともに経験をしながら、個々の興味を深化させていこうと始まった「ENZA」。ENZAの活動の一つ「ワークショップ」シリーズも、はや5回目となりました。1回目のワークショップが干し柿でしたので、1年はあっという間ですね。

今年は、参加者の方にご自宅へ一部お持ち帰りいただき、新たに干し場を変えての実験も織り交ぜた形でワークショップを行いたいと思います。岩室温泉のKOKAJIYAの軒下に柿を干すようになって5年目。晩秋の「干し柿ワークショップ」もすっかり恒例行事になりました。これまでの干し柿づくりの経験をシェアしながら、美味しい干し柿を一緒につくりましょう!

なお当日は、いわむろやにて「そば祭り」も開催中です。お昼にお蕎麦+足湯はいかがでしょうか? にぎやかな一日になりそうです。

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◇日時:11月5日(日) 13:00~15:30

◇会場:いわむろや 伝統文化伝承館

(新潟市西蒲区岩室温泉96-1) ※無料駐車場あり

◇参加費:3,000円

(前編+後編、自宅実験用渋柿6個クリップ付き+後日干し柿10個+「干し柿のしおり」とお茶菓子付き) 
※学生は半額の1,500円
※中学生以下参加無料(干し柿ご希望の方には別途料金をいただきます)

◇持ち物:エプロン、ハンドタオル、使い慣れた包丁、(屋外作業があるため)温かい服装

◇定員:10名程度

<全体工程>
●前編(11/5):皮むき&干し作業、渋柿6個と柿クリップ持ち帰り 干し場はKOKAJIYAを予定。
●後編(次回):干し柿回収&手揉み作業
(干してから約4週間後を予定。開催日は追ってお知らせいたします)後日、完成した干し柿10個をお渡しします。

お申し込み・お問い合わせ:080-4051-1211 info@bricole.jp 担当:桾沢(ぐみざわ)

「お名前、人数、ご連絡先」をお知らせ下さい。
※お子様もご一緒に参加できます。お申し込みの際、ご相談ください。

◇主催:Bricole
◇協力:NPO法人いわむろや

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ENZA Workshop#001 の干し柿づくりの様子より。

●今回もKOKAJIYAの軒下を干し場の一つとします↓
干し場

●談笑しながら、たくさん皮むきをしました。慣れてくると綺麗にできます↓
(この時の会場は西区の旧武田家住宅)
皮むき

●後編(約4週間後)の手もみ作業↓
手もみ作業

●完成した干し柿↓
干し柿

●今年も巻の三根山農園の長津さんの渋柿(種類は、おけさ柿、平種無し)を使わせていただきます↓
おけさ柿

過去のワークショップレポートはこちら
【2016年】 ENZA Workshop#001  干し場A「旧武田家住宅」 干し場B「KOKAJIYA」 
【2015年】 土着ワークショップ vol.11 <前編><後編>
【2014年】 土着ワークショップ vol.6 <皮むき&干す><手もみ><完成>

Posted on 2017-10-06 | Posted in ENZA(えんざ), お知らせNo Comments »

 

ENZA w#004「竹カゴ」@室礼 開催レポート ②

8/7開催の「ENZA workshop#004 竹カゴ @三条スパイス研究所」に続き、8/9にKOKAJIYA2F 室礼でおこなった竹カゴづくり<続編>です。

当日、会場に並べておいた竹に関する書籍の数々。

資料

これらは、私たちブリコール主催で、6/3に東京・武蔵野美術大学の民俗資料室のご協力で開催した「ENZA talk#001 & fieldwork#002 暮らしの中の竹とワラ」(暮らしの骨格vol.02)の際に資料として使用した本です。

このイベントは、民俗学者・宮本常一氏の提唱により開設され、膨大な民具資料を収蔵する武蔵野美術大学「民俗資料室」の内部を見て回り(fieldwork)、実際に竹細工や藁の民具を収集された工藤員功さんにお話いただく座談(talk)という構成でした。イベントの記録はまた別の機会に行うとして、今回の「竹カゴ」ワークショップは、あの日武蔵野美術大学まで遠く大分からご参加くださった(!)竹細工職人の三原啓資さんと出会えたことがきっかけで開催に至りました。

enza04

そんないきさつで実現した「ENZA workshop」の4回目。四つ目編みのカゴの「底編み」と「立ち上げ」そして「共縁」とよばれる「縁どめ」の方法を学びました。前回のレポートで製作工程は細かく見ていったので、今回は写真で振り返りつつ、新たな気づきなどを加えていきたいと思います。

三原さん夫妻

まずは、講師の三原啓資さん、萌枝さんご夫妻のこと。プロフィールはこちら。

三原啓資、1968年岡山生まれ。三原萌枝、1985年新潟生まれ。ともに大分県竹工芸訓練・支援センター(別府市)を修了。のちに結婚し、大分県由布市の里山で夫婦で自ら山に入り、竹を切り出し、暮らしの道具として使いやすく丈夫なかご作りを続けている。屋号:笑竹堂

お二人の接点は「大分県竹工芸訓練支援センター(現・訓練センター)」という日本で唯一の公立の竹工芸の教育・訓練機関だそうです。土着ワークショップでも2度竹細工を教えていただいた阿部晋哉さんも、このセンターの前身の一つである「大分県別府高等職業訓練校」のご出身でした。日本唯一というだけあって、竹工芸に関する専門人材の育成を行い、全国の主だった産地へ技術者を送り出す貴重な場になっているこのセンターでは、三原さんのお話では、最近入校希望者が大変多いために、「若手育成」をメインとして、現在は募集年齢を39歳以下、また毎年10名程度の定員と狭き門になっているそうです。やはり「趣味」ではなく、本気で竹細工を学び、本気で今後の竹文化を担っていく人材を育てたいという関係者の方々の切実な想いが感じられます。

ひご準備

奥様の萌枝さんは、竹細工を学びたいと思ったきっかけが、アフリカの草で編んだカラフルなカゴとの出会いがその端緒だったそうです。身の回りにある草を編んでかごをつくる。暮らしの中の素朴なもののなかに、色々な大切なものがぎゅっとつまっていると感じられたのでしょうか。草で編むカゴづくりをきっかけに、日本の竹という素材と出会い、その奥深さに惹かれ竹細工の道に入っていったそうです。でもそこからが長い道のり。ご本人のお言葉では「修行ですね」とおっしゃるように、日々竹と向き合い、竹と対話して、真っ直ぐものづくりに励んでおられる姿勢に、私桾沢(ENZA世話人)も感服です。

お二人は「笑竹堂」という屋号で竹細工を生業とされています。主に青竹を使い「見るためのかご」ではなく「使うかご」を目的に製品作りをされていらっしゃいます。商品としては、収穫・果物カゴや、野菜とるためのカゴ、佐渡の御用籠を応用したもの、丸笊(九州独特のかご、竹で縁を捲く)、なべしきなどがあるそうです。かわいい娘さんと3人で由布市の里山暮らし。いつかお訪ねしてみたいです。笑竹堂として竹カゴの製作のみならず様々な竹や地域に関する活動をなさっているので、そのあたりはぜひ笑竹堂facebookページをご覧いただければと思います。

では、「カゴづくり」に入ります。最初は「四つ目編み」から。
四つ目編み02

四つ目編み03

三原さん、2日前からさらに改良を加え、紙でカゴの成り立ち(立ち上がり)のイメージを説明してくださいました。

説明

曲げ癖をつけるときは、結構力を加えていました。しっかり、左手で押さえつつ、竹の(しなりの)反応をみながらといった感じでしょうか。

曲げくせ

こちらが「力竹」です。立ち上げの編み作業の最中に、カゴの底が丸くならないように入れるものだそうです。今回は後で外したので、「仮力竹」となります。

力竹

立ち上げ01

「立ち上げ」についての三原さん、「かごっていうのは、一か所「崩す」というんですが、平面で編んでいた編み目のどこか一カ所を崩してやる。そうすると立ち上がる(立体になる)んですよね。そこがなかなか面白いんです」とおっしゃっていました。またかご作りの最中、私の「どちらの脳をメインで使っていますか?」との質問に、「数学的というか左脳を使いますね」と答えていらっしゃいました。なるほど、手を動かしながら、頭の中では論理的かつ数学的に思考しているようです。

立ち上げ編み00

初めてやってみると、これが難しいことに気づきます。似たような竹ひごの並びなので、混乱するのかもしれません。しかも、かなり集中力を使います。実は、この後の2枚の写真のお二人は左利き。左利きのお二人が、もともと器用でいらっしゃるのは間違いないのですが、編むスピードがいちばん早かったことが印象的でした。「とても楽しかった。またやりたい!」と感想をいただきました。もしかしたら、カゴのつくりをイメージする絵的な感覚、右脳も関係しているのではないかなと感じました。

立ち上げアップ

立ち上げ編み01

こちらは、神奈川からご参加くださった男性の手。この方も6月の武蔵野美術大学ででのENZAでお会いした行動派!大きな手で器用にカゴを作っていらっしゃいました。

立ち上げ編み02

こちらは、赤ちゃんを連れてご参加いただいたママさん。

お母さん

とっても可愛い赤ちゃんで、思わず撮影!

赤ちゃん

会場内は冷房をつけていましたが、みなさんの集中力と熱気が溢れておりました。

編み風景

そして、一人一人に熱心に教えてくださる三原さんご夫妻。

調整

数え方

7日のワークショップでは、うまくいかなかった「共縁」のやり方も改善。

共縁01

「両手を使い、隣り合う竹ひごを斜めに重ねながら内側から引っ張る」という地道な作業ですが、みなさん黙々と作業されていました。

共縁03

共縁02

縁の部分がしっかりとかみ合って締まったら、最後に縁ぎりぎりのところで、ひごをカットします。

竹カット

カット部分の詳細はこちら。

竹カット詳細

ようやく四つ目カゴの完成です!!ここまで3時間半近くでしょうか。みなさんお疲れ様でした。

さて、竹カゴの管理についての補足で、風通しが悪いとカビてしまうので、引き出しや引き戸の中にしまっておかないで、常に使っていただくことが一番だそうです。もしカビがでても、布(雑巾)で拭いてみて、それでもとれなければ、紙やすりで表面を削ればよいとのこと。ちなみに、カビは竹ひごの表面側ではなく白い方(内側)につくのだそうです。

カゴ完成

終了後はKOKAJIYAの目の前、いつもお世話になっている「角屋悦堂」さんの夏にぴったりな「麩饅頭」をいただきました。笹の葉の緑が綺麗!こちらの笹の葉は、三条市下田のおばあちゃんが採っていらっしゃるのだとか。みずみずしくて美味しかったです。

お茶菓子

こちらは、材料のマダケ(真竹)。三原さんのお話では、日本で竹カゴ作る人はほとんどがマダケを使うそうです。それは繊維が細かく、加工しやすいから。また竹そのものの厚みも5mm程度で、食用にする孟宗竹(15mm)のように分厚くないので、加工がしやすいようです。今回四つ目カゴに使用したひごの厚みは0.5mm。マダケの断面を見ても、上からほんの数mmの表面しか竹細工には使っておらず、あとはゴミになってしまいます。三原さんは住まいが山の方なので、自分のところで燃やしているそうですが、まち場の職人さんたちは廃棄するのも大変なのだとか。

マダケ

ゴミの話が出ましたが、基本的には「竹は持続可能な素材」だそうです。というのも、木だと何十年とかかるところが、竹は3年経てば使える。その再生のサイクルが短いことが竹の良いところだそう。確かに竹林は新潟でも見かけるのですが、住宅地の竹は特に管理が大変で、嫌がられる存在になっていることもしばしば。もしマダケであれば、それをきちんと加工できる人のもとに手渡せたらいいのになぁと、ふと思ったりしますが、九州はマダケが多いそうですが、新潟ではマダケはあまり見られないといいます。食用の孟宗竹が増えたことも一因ではないかと、萌枝さんはおっしゃっていました。

映像

映像では、ご近所の山の竹林で、叩いて竹の硬さ(硬いと高い音がする)を確かめたり、1本5m~8mもある長い竹を伐った後、足場の悪い道を運んだりするのに始まり、足を使って竹を割いていく様子など、ひごができるまでの一連の流れが分かり、その膨大な作業量に頭が下がります。またその過程で、ナタや胴金(九州独特)、幅取り、面取りなど用途に応じた様々な道具が使われ、やはり「素人ではこの繊細な竹ひごを作るのは難しいなぁ」と実感しました。

こちらは三原さんが以前製作されたという「飯かご」。

めしかご

飯かごは、中に布巾を敷いて炊いたご飯を入れ、蓋をして軒下に干すもの。保温ジャーの役割を果たし、かつては家庭でよく見られた生活道具です。取っ手に使われているのは「虎斑(とらふ)竹」という特徴的なまだら模様の竹。この竹は高知だけでしか採れず、その土壌でないとこの模様が出ないそうで、一社しか扱いがないので職人は皆そこから買うのだそうです。

竹は600~1250種類あるともいわれ、日本だけで450種類あるいは600種(諸説あり)あるそうです。三原さんは4年前に佐渡に行かれ「御用かご」を作る職人さんに技術を学んだそうですが、佐渡には「七成(しちなり)かご」(苗を入れる丸みを帯びた腰につけるかご)というものもよく作られていて、これはシノダケ(篠竹)という細い竹を使っていたそうです。日本の主な竹細工の産地を見ていくと、大分はマダケ(真竹)、戸隠は根曲竹、鳥越はスズ竹(篠竹)というふうに、北へ行くほど細い竹が使われており、その風土に合った材料で、また使い道によって形の異なる竹細工が生み出されてきたことがよくわかります。探せば色んな形のカゴがあり、武蔵野美術大学の民俗資料室では様々な地域の竹細工(3000点あるとのこと!)に実際に見ることができ、三原さんも「圧倒された」そうです。

話はまだまだ尽きない様子でしたが、参加者のみなさん、身の回りの竹や竹製品にさらに興味が沸いたのではないかなと思います。ENZAでは引き続き、「竹」について掘り下げていきたいと思っておりますので、次回もお楽しみに!

enzaシツライ集合写真

小さな赤ちゃんの手を見て、この手に何を残していってあげられるのかな、三原さんご夫妻が取り組まれているようなものごとがしっかり残っていったらいいなと思いつつ、ワークショップを終了しました。長いレポートにお付き合い、ありがとうございました!!

赤ちゃんの手

Posted on 2017-08-31 | Posted in ENZA(えんざ), お知らせ, イベントNo Comments »

 

ENZA w#004「竹カゴ」@三条スパイス研究所 開催レポート ①

夏真っ盛りの8/7と8/9、ENZAの4回目のワークショップとして、大分県由布市の竹細工職人、三原啓資さん・萌枝さんご夫妻から学ぶ「竹カゴ(四つ目カゴ)」づくりを2会場で開催しました。

四つ目カゴ

平日にもかかわらず「竹細工」や「カゴづくり」にご関心のあるみなさんが多く集まって下さいました。そして2日とも、講師の三原さんと偶然にも同じ別府の竹工芸訓練(支援)センターで同期の訓練生だったという成田文香さん(新潟市西蒲区在住の若手竹細工職人さん)がワークショップのヘルプに来て下さりました!本当にありがとうございます。

竹細工を本格的にやるには「竹ひごづくり」からなので相当に時間と労力がかかります。そこを事前に三原さんが何から何までご準備いただき、3時間ちょっとという短い時間で最後の「編みと縁どめ」の体験を通じ、また職人直々のお話を通して竹細工の奥深さ、楽しさの一端に触れるとても良い機会になりました。

ではさっそく、8/7のワークショップの模様をレポートしていきます!(8/9のワークショップレポートはまた後日。)

ENZA4スパ研集合写真

竹細工の日本一の産地、大分から来新された講師の三原啓資さん・萌枝さんご夫妻。お二人は「笑竹堂」という屋号で、大分の青竹(マダケ)をメインに使った竹かごや生活道具をつくることを生業にされている竹細工職人さんです。実は萌枝さんのご実家が三条市ということで、ご縁あって今回のワークショップが実現しました!

ENZA三原さんご夫妻

会場の「三条スパイス研究所」は、この日最高気温39度という猛暑日。そんな暑い日の午後、屋根だけのほぼ屋外という「えんがわ」空間でワークショップはスタートしました。

ENZA4材料

カゴの材料となる竹ひごは、由布市の三原さん宅のご近所のマダケの竹林から伐り出して加工して下さったものを使いました。厚さ0.55mm、幅7mmに揃えられたひごは、今年の1月に伐り出し、乾燥させたものだそう。

マダケ

しなやかでうっすら青みが残っていて、「こんなに薄いんだ」「揃っていてきれい」とみなさん驚いていました。一人一人に三原さんお手製の「四つ目編み」をきれいにするための下敷きと24本のひごが配られ、最初はこの下敷きの上で、編み作業を行っていきます。

下敷き

縦2本・横2本、計4本のひごを編み、そこから下敷きのとおりに「節」の位置(わかりやすく色がついている!)を合わせながら、上・右・左・下に5本ずつひごを編み込んでいきます。

編みはじめ

編む時は、どちらのひごが上かを確認しながら、上にもっていくひごは「すくい」、下にするひごは「おさえ」といいますが、1本とばしに「すくい」と「おさえ」を繰り返して編み込みます。右利きの方は、左手ですくう(上にくる)竹ひごを浮かせて、そこへ右手でひごを入れ込むというかたち。

編み途中

一見簡単なようで、この四つ目編みは「簡単だからこそ竹ひごが動きやすく、きれいに目を保つのが難しいんです」と啓資さん。確かに編み作業の最中に、油断するとひごがすべって位置がずれていくことがしばしば…。

編み作業中

なんとか1周、計24本をひごを編み込んだら、平面は完成!

とめひご

いったん、四辺の縁を別の竹ひご(とめひご)で仮止めしていきます。

とめひご2

これで編んだひごが固定されずれにくくなります。(※とめひごは後ほど外す)

とめひご3

このあとは「立ち上げ」といって、かごにしていく(2Dから3Dにしていく)一番気を遣うけど、竹細工の面白さ、不思議さの一つがここにあると言っても過言ではない作業にうつります。

きりふき

この時、竹に無理な力がかかって折れないよう霧吹きでしっかり濡らしながら、かご底の「四辺」となる部分を両手でしっかりめに折り曲げ、くせづけをします。

くせづけ

竹はしなやかなので、多少の折り曲げには強いようで、直角よりも多い「120度くらい」まで曲げたでしょうか。くせをつけました。

くせづけ終了

またこのタイミングで「力竹(ちからだけ)」というかごの強度や突っ張りを強くするための竹を、底の部分にばってんにして挿します。今回の竹カゴは、あまり重いものを入れないという前提なので、後でこの力竹は外しました。

もえさん

丸める

その後、かごの底の四つ角となる場所(起点)から、上にむかって左右の竹ひごを編み込んでいきます。このとき、先ほどの「とめひご」はひごの数に入れないので、注意しながら編みます。このときのポイントは、かごを完成形に近くなるように少し手で力を加え、全体に丸みを帯びさせながら、編んでいくことだそう。

立ち上げ

立ち上げたの時は、ひごとひごの間の四角がひし形のようになったり、広くなったり狭くなっりと大きさや形にに違いが出てきやすくなります。そのため、いつも底の下敷きの通りに編んだ、あの編み目(四角い空間)くらいになるように意識して、立ち上げます。

立ち上げ2

四つ角があるうちの、1つの角を挟んだ左右のひごを編んだら、その対角線上にある反対側の角を起点に編みます。

立ち上げ3

こうして、4つの角で編み終わったら、このような形に。ひごとひごの間の空間が、きれいな四角になるように細かな調節を繰り返し、また次の作業(右利きの人にとって止めやすい縁のとめ方)のために、編み込みすぎた部分をほどいていきます。詳しくは、ばってん(×)になった部分で、必ず右から左上に向かっている竹ひごが常に上になるようにしておきます。

かごのよう

この時点でもうカゴ然としていていい感じですが、ここからが最後の仕上げ「縁どめ」の作業です。

縁の止め方は色々ですが、今回は「共縁」といって編み上げた竹ひごのみを使って、斜めにうまく重ね合わせていって、ひご同士が固定され動かなくなる縁どめの方法を学びます。

ふちどめのまえ

先ほど右から左に向かってぴらぴらと開いている竹ひごを1本右手に持ち、山型に左に曲げながら、左から右へ向いた竹ひご4本の下(★)をくぐらせ、先ほどの「×」部分のすぐ下の四角い穴を含めて6つ目の「穴」めがけて差し込みます。(文章ではなかなかわかりにくいですね。参加された方は備忘録まで)

やんわり縁

これを平行に左側に向かって同じように繰り返していくと、最初はやんわりとした縁ができます。

きつめる

きつめる2

それを今度は「穴」の後ろから竹ひごを引っ張り、徐々に徐々にひご同士を、隙間のないようにしっかり締めでいきます。

未完成

実はこの日「共縁」の工程がうまくいかず、未完成でのお渡しとなってしまいました。参加者のみなさまには、申し訳ございませんでした。この場をお借りしてお詫びいたします。

ともぶち(★)ここが写真では2本になっていますが、実際には4本のひごをとります!

原因は翌日には解決!(★)のところの本数を2本とご案内していたことが原因だとわかりました。すぐに修正して、8/9の室礼でのワークショップでは、みなさんしっかり仕上げることができました!(7日ご参加者の皆様には、後日仕上げの方法を描いたお手紙と完成版の竹カゴを別途三原さんが送ってくださりました)

文字にすると伝わりづらいですが、編みから縁の仕上げまで、みっちりやって3時間ちょっと。過酷な環境ながら、みなさん最後まで一生懸命にかご作りに励んでいらっしゃいました。お疲れ様でした。

もなかアイス

最後に、スパイス研究所のご近所にある「お菓子司 うえき」さんの「もなかアイス(抹茶やイチゴ、小豆、バニラなど)」を食べながら、三原さんより「笑竹堂のこと」「竹の伐採~ひごづくりまで」や「台湾や中国での出張ワークショップの様子」「別府の竹細工のビデオ」を映像で見ながらのお話を伺って、ワークショップは終了となりました。

おはなし2

談笑

印象的だったお話をいくつかご紹介します。

●まず、竹ひごつくりの工程で行う「面取り」という作業について。
ちょうど断面から見ると、台形のようにひごがなっていて、編む時やまた製品になった時も、表面のひごの手触りが角張っていなくて、滑らかになります。一つ一つのひごにそのような加工がされているのかと思うと、気の遠くなるような作業の積み重ねです。職人さんの地道な手作業が、あのやさしいぬくもりある肌触りを生んでいるのだなと納得しました。

あじろあみのカゴ

さらに今回の竹では行っていませんが、「磨き」という竹の表面を削る加工もあるのだとか。これは職人さんのこだわり、あるいは使う人の好みにもよるのだそうですが、この「磨き」を行うと、時間が経つにつれて、竹の色が「飴色」に変化していくのだそうです。その使い込まれた、時を経て醸される美しさは、やはり竹細工ならではの味わいではないかと思います。今度、お店や博物館などで竹細工を眺めることがあるならば、ぜひ表面にも気をつけて見てみるとよいのではないかと思います。

●次に竹製品のメンテナンスについて。
竹は湿気を嫌います。風通しの悪いところ、湿気のたまるところに置いておくと、カビが生えてしまいます。特に今回のカゴはそこまで気を遣わなくてもよいそうですが、流れている空気に触れさせることで、長く使うことができるとおっしゃっていました。竹製品を長持ちさせるには、やはり湿気は禁物だそうです。

●最後に竹林、里山の保全について。
三原さんの住んでいらっしゃる由布市は、竹林も多く周囲は里山なのだそう。その近隣の里山資源を生かしながら、竹細工を生業とされているため、「里山を守る」「持続可能である」ということを、製品作りにおいても生活においても第一に考えていらっしゃいます。特に竹林は全国的にみても、質の高いマダケが手に入る九州にありながら、年々持ち主の高齢化などによって竹林の管理ができなくなってきているとのこと。そこで三原さんは、自分が無償で竹を譲ってもらうかわりに、間伐の作業を行い、竹林を守る活動を続けているのだそうです。三原さんご夫妻の竹細工は、そのような住んでいる里山を守りながらその資源を生かす、土地と暮らしとが直結したものになっています。

三原さんご夫妻 [笑竹堂faceboookより]

そんなお二人は、決して大分に留まるのではなく、様々な場所へ出向いて竹製品を販売したり、各地の職人の元を訪ね技術を学んだり、そしてまた今回のワークショップもそうですが、竹の文化を伝え、身近な里山の保全についても理解を広める精力的な活動をなさっていることに、非常に共感を覚えました。そして最近、今注目の「民泊」ができるよう営業許可をとられたのだそう。今後のお二人のご活躍が楽しみです!

おはなし

この日、ENZA世話人の私・桾沢も一緒にカゴづくりをさせていただきましたが、四つ目編みの途中でひごが折れてしまったり(三原さんご夫妻の息の合った修正に助けられました!)、「立ち上げ」のところも難しかったです。それでも平面からカゴになっていく面白さはなんともいえないものがあり、竹という素材の自由度と機能性に驚きました。そして、三原さんご夫妻のように竹細工の技を過去から継承し、各地域で職人さんたちが地道に守り、頑張っておられることに改めて感動した次第です。

息のあった修正

みなさん、本当に暑い中ありがとうございました!堀田さんはじめ、三条スパイス研究所のスタッフの皆様にもこの場を借りてお礼申し上げます!2日後、ENZA Workshop#004「竹カゴ」は、室礼での開催につづく…。

ENZAスパ研

 

ENZA-W#004「竹カゴ」8/7(月)・9(水)開催!

ENZAw004
「そこにあることを、自分ができることに変えていく」というテーマのもと、一つの場をぐるりと囲んで寄り集まり、ともに経験をしながら、個々の興味を深化させていこうと始まった「ENZA」。

6月のENZAで出会った大分県由布市の竹細工職人・三原さんご夫妻を講師に、竹カゴづくりワークショップを開催します。この季節にぴったりの涼しげな竹カゴ。竹細工の本場である大分で修練を積んだお二人から、基本的な竹細工の編み方の一つ「四つ目編み」とかごの縁の仕上げ「共縁(ともぶち)」の方法をじっくり学びます。動画を見ながらの解説や竹カゴにまつわるお話も伺います。

///
●日時と場所:
①2017年8月7日(月) 13:30~16:30
三条スパイス研究所/ステージえんがわ(三条市条市元町11−63)

「三条鍛冶道場」または市営駐車場をご利用ください。

②2017年8月9日(水) 13:30~16:30
KOKAJIYA2F室礼(新潟市西蒲区岩室温泉666)
 http://daidoco.net/kokajiya/
※駐車場は「いわむろや」の駐車場をご利用ください。
(①と②の内容は、同じとなります)

●講師:
笑竹堂 竹細工職人 三原啓資さん・萌枝さんご夫妻
【講師プロフィール】
三原啓資、1968年岡山生まれ。三原萌枝、1985年新潟生まれ。ともに大分県竹工芸訓練・支援センター(別府市)を修了。のちに結婚し、大分県由布市の里山で夫婦で自ら山に入り、竹を切り出し、暮らしの道具として使いやすく丈夫なかご作りを続けている。
屋号:笑竹堂

●内容:
・青竹カゴ(直径18㎝、高さ8㎝)づくり
※編み方は四つ目編み、縁の処理は共縁です
・竹カゴにまつわるお話

●参加費:4,500円(材料講習費込、お茶菓子付き)

●定員:①15人 ②10人

●申し込み・お問い合わせ:
TEL 080-4051-1211(ぐみざわ)or メール(info@bricole.jp)まで。
「8/〇のENZAワークショップ参加希望」とお伝えのうえ、「お名前、連絡先、参加人数」をお知らせください。

●主催:Bricole(ブリコール)
●協力:三条スパイス研究所/三条市まちなか交流広場 ステージえんがわ/KOKAJIYA/NPO法人いわむろや
///

<参加者の方へのお願いとお知らせ>
※①は屋根付きの屋外、②は古民家での開催ですので、なるべく涼しい服装(気になる方はエプロン持参)でお越しください。
※会場は暑くなります。熱中症予防のため、飲み物を各自ご持参ください。
※①ではゴザの上での作業です。必要な方は座布団をご持参ください。
※両会場ともにレストラン(①三条スパイス研究所 ②灯りの食邸 KOKAJIYA)がございます。ぜひワークショップ前のランチも合わせてお楽しみください。

三原さんご夫妻と可愛い娘さん [笑竹堂faceboookより]
三原さんご夫妻

*四つ目編み(上から)
竹カゴ上

(底裏から)
竹カゴ裏から

ENZAw004裏

Posted on 2017-07-30 | Posted in ENZA(えんざ), お知らせNo Comments »

 

ENZA w#003「鳥のしめ縄」@旧笹川家住宅 開催しました

2017年は、昨年12/11に開催したENZA workshopの3回目「鳥のしめ縄」づくりのレポートからスタートです!本年もどうぞ、室礼とブリコールをよろしくお願いいたします。

集合写真

酉年の今年にぴったりの“鳥”を形どった「しめ縄」。いわゆる神棚用の注連縄、牛蒡締めや輪(玉〆め)飾りなどはよく見かけますが、なかなかありそうで身近にはないお正月飾りの一つではないかと思います。企画した私自身も『民藝』(第673号 特集:しめ縄)という本からその存在を知り、写真などを参考にワラ細工職人の山際辰夫さんに試作をお願いし、ワークショップ実現に至りました。

DM

せつめい

お正月飾りも最近は様々なものがみられます。中には稲藁は使わず、水引や和紙、飾り紐、造花、手拭いなどで作られているものも店頭で見かけるようになりました。しかし、やはり「しめ飾り、しめ縄」といえば「稲藁」ではないかなと思います。

藁文化の研究者でいらっしゃる宮崎清先生(千葉大学名誉教授)は、「藁は、草冠に高いと書いて、下に木と書く。これは稲作が伝わって以来、主食としての米だけでなく、藁そのものが多種多様な生活の道具類に用いられ、全く捨てるところもない。木よりもっと利用価値の高い草なのだという意で、この字があてられたのではないか。いわば稲藁の文化は、日本の人々の心を支える大切な文化なのだ。」とおっしゃっています。

そんな稲藁を手で綯(な)い1つ1つ丹精込めてつくられる「しめ縄」は、時代は変われど、私たちの暮らしを支えてくれている大事な「生きる」ためのアイテムではないかなと思います。ENZAでは、ただ手を動かしてものをつくるのではなく、そういった「ものが生まれる背景」まで思い巡らせる、そんな時間と空間を今後もつくっていけたらいいなと思っています。

さて前置きが長くなりましたが、新潟市南区味方にあるの国の重要文化財、《旧笹川家住宅》にて、山際辰夫さんを講師に開催したENZA w#003の様子をお伝えします。

まずは、しめ繩の太い部分を作るための「芯」作りです。以前、カマダイ作りの際に余った穂先の藁を芯に使います。藁スグリをしたくず藁を使うこともできますが、初めての方でも綺麗に芯が作れるようにと山際さんがご用意くださりました。今回のワークショップでも、米寿の山際さんが昨年、春の種蒔きから青刈り、乾燥まで手をかけ作ってくださった青ワラを使用しています。

芯

畳店で余った畳をほどいて再利用している「イグサ」を紐代わりにして、くるくると巻きつけ、ばってんに交差して全体を巻き縛ります。芯を3つ用意したら、今度は縄ないのためのワラ束の準備です。

青ワラ

同じ太さになるよう、何度か左右で束を持ち替え、量を調節して3束作ります。

手で握る

そのうちの2束を取り、根元に近い側から15〜18cm程度のところを、紐でしっかり8の字に縛ります。ここが左綯いの起点になります。

縛る

続いて、ここを起点として足を使って抑え、両手で2束のわらに時計周りに撚りをかけ、それらを反時計周りに交差させていきます。この作業、職人の山際さんの手にかかれば、ザザッと両手を滑らかに動かされ、あっという間に撚りの力も適度に加わった左縄ができていきます。

縄ないスタート

撚りのかける向き

縄ない中

今回参加者の中には、「室礼」のHPを見て宮城県栗原市から駆けつけて下さったとても熱心な男性もいらして、縄綯いは普段教えていらっしゃるとのことで、さすが慣れた手つきで撚りをかけてます。

縄ない中2

縄ないに挑戦

2、3回交差させたら今度は、先ほどの芯を各々ワラ束の中に包み込み、縄綯いを続けます。この時、芯がワラ束の外から見えないようにすることがポイント。

芯を入れる

参加者のみなさんが、撚りをかけながらの縄綯いに苦戦したり、逆向きに撚りをかけたりしていると、順次、山際師匠の修正の手が入ります。

修正1

不思議と縄綯いをやり直しても、ワラには柔軟性があり、そこまで仕上がりに影響はないようです。

修正2

修正3

鳥の胴体のところの縄綯いが終わると、そこで一旦紐できつく縛って止めます。

胴体部分

さらにもう一つ残しておいたワラ束を、最初に8の字に紐で止めた起点に追加し、同様の撚りをかけます。途中で芯を挿入しながら、しめ縄に絡みつけていきます。綺麗に縄綯いできたら、三本縄綯いの作業は終了です。

三本目追加

3本目縄綯い

表面にぼそぼそと出てきたワラは、綺麗に切り整えます。

表面綺麗に

こうしてお腹に丸みのある、鳥のしめ縄の胴体部分が完成!

胴体完成

続いて、鳥の足の部分の「下げ飾り」を作ります。芯にはワラ縄を使い、その周りには、先ほどの藁束を切った残りを無駄なく使います。

足の芯

バナナの皮のように全方向にワラを折り曲げていくと、足の「下げ飾り」ができていきます。

下げ飾り

下げ飾り作成

下げ飾り2つ目

その後、顔づくりへ。胴体の先を顔をつくるように曲げ紐で固定。目打ちやドライバーで穴を拡げ、目になる部分を作ります。(少々痛々しいですが・・・)

目

イグサ縄ない

胴体や下げ飾りの作業に取り組む間、余力のある参加者の皆さんは、しめ縄本体をぶら下げるのに使う「イグサの縄綯い」に山際さんの手つきを見ながら、トライされていました。こちらの縄綯いは、右綯い(反時計まわりに撚りをかけ、時計回りに交差させる)です。

縄ない

見本の縄ない

縄ない3

イグサは、茎がまっすぐで枝分かれがなく、ワラのように途中でぼそぼそと出てこないので、出来上がる縄もつやっとした仕上がりになります。

完成したイグサ縄

位置決め

鳥の胴体部分を弓状に曲げ形を定めたら、先ほどのイグサ縄で引っ張って結びます。

足つける前

最後に、足(下げ飾り)をボンドで固定して出来上がりです!!

足つけ

完成

「イグサの縄綯い」は、凸凹が少なく平坦に長くできるのが特徴。慣れてくるとズリズリっといい音が出てくせになる作業です。先ほどの栗原市の男性が、隣の方に縄綯いを教えて下さったりして「車座になって集い、自分のできることを持ちより共有する」というENZAならではの光景も見られてうれしかったです。

縄ないを伝授

完成後は、南区月潟にある老舗の、お菓子司「まさや」さんの美味しい“みそ饅頭”を頬張りながら、出来上がった鳥のしめ縄を眺めたり、記念写真を撮ったりして過ごしました。

味噌まんじゅう

最後に、会場として使用させていただいた《旧笹川家住宅》は、昭和28(1953)年に民藝運動で有名な柳宗悦、濱田庄司らが、イギリス人陶芸家のバーナード・リーチを連れて訪れた場所。リーチは、1953~54年にかけて日本各地の窯場をめぐり、制作、講演会、展覧会、会合など多忙な日々を過ごしたそうです。リーチはその旅を克明に記録し、絵入りの日記に残しており、その中に「十月十二日 私たちは、これまでに見たうちで最も魅力のある家宅(※)の一つで夜を過した。ここには古い領主の家と、見事に釣合のとれた、静かで威厳にみちた庭がある。この家は「下手」(げて)ではなく、「上品」だ。しかも洗練され過ぎない立派さがあり、荒けずりな田舎じみたところは少しもない」と、感想を述べています。(柳宗悦訳、水尾比呂志補訳『バーナード・リーチ日本絵日記』講談社学術文庫 2002年)

※この家が笹川邸であったかどうかは、本の中では「笹川」の文字が見られないのですが、昭和45年刊の『郷土資料事典 新潟県・観光と旅』(人文社)の笹川家住宅に関する記述を参照しました。
>>追記 昭和30年8月発行の『民藝』(第32号)において、伊東安兵衛による「笹川邸を訪ねて」という記述の中で、確かにリーチらが笹川邸を訪れていたことを確認できましたので、上記は事実のようです。

民藝32号

笹川邸

ワークショップ当日、貴重な冬の晴れ間が見られた笹川邸の縁側。重要文化財なので電気や暖房などは最小のため、ほぼ屋外に等しく寒いです・・・(苦笑)

えんがわ

旧笹川家住宅は、江戸時代には味方8カ村を束ねる大庄屋であった名家で、当時から権威ある立派な佇まいだったと思いますが、時を下った今、空間に身を置いて感じるのは、大らかで素朴な自然との関わり、そしてそれを楽しむ余裕、自由な遊び心があったのではないかなと思います。また機会があればぜひ利用したいと思います。

参加者のみなさま、笹川邸の白倉さん、南区地域課のご担当者様、お菓子を紹介くださった堤さん、そして山際さん、どうもありがとうございました!!

【おまけの後日談】

鳥のしめ縄応用

栗原市の男性は、実は一般社団法人 くりはらツーリズムネットワークの事務局長をやられている大場寿樹さんで、ワークショップご参加後「さっそく宮崎清先生のご著書も読み、イグサも用意してオリジナルで作ってみました」とさらに改良を加えた「鳥のしめ縄」を創られ、画像を送ってくださりました。その行動力と応用力がすばらしいです!!くりはらツーリズムネットワークのHPを拝見すると「栗原地元食大学」「栗原手づくり市」など面白そうなプロジェクトの数々・・。多種多様な地元栗原での体験プログラムは、2015年度グッドデザイン賞も受賞されているそうです。新潟と栗原市は少し離れていますが、今後どこかで交流、またご一緒できる機会があればいいなと思います。大場さん、ありがとうございます。

booksf3

また「鳥のしめ縄」を気に入ってくださった、沼垂の《BOOKS f3》店主の小倉快子さん。後日、山際師匠が作られたものをお店にお届けに。素敵に飾って下さりました。写真はtwitter(@booksf3)から拝借。小倉さん、どうもありがとう!

Posted on 2017-01-24 | Posted in ENZA(えんざ), お知らせ, イベントNo Comments »