2013-11

干し柿づくり2013晩秋@室礼 レポート

立冬を過ぎ、新潟の空気も秋の終わりへと加速する中、11月17日は久々の晴天の休日となりました。

例年よりも早く柿の実が成熟を迎える頃合いとなり、
「もうこれが今年最後のチャンス!」とばかりに、いささか駆け込み気味に
秋の実りを美味しくいただくための昔ながらの知恵、「干し柿づくり」を室礼にて行いました。

その模様をお伝えします。

KOKAJIYAがオープンして以来、初めて迎える冬。
その訪れを歓迎するかのような、ちょっぴりかわいらしい柿の風景を軒先につくることができました。

IMGP0606

晩秋になると日本のあちこちで見られる、柿を干す光景—。
でも一方では、少しずつそれが、身近なものではなくなってきているのかもしれません。

あたりまえに地域にあった風景の作られ方を体験したい。
そんな思いで「干し柿づくり」をまずは自分たちでやってみようと挑戦しました。

右も左もわからなかったので、柿のプロに教えていただこうと、
新津にあるタカツカ農園の高塚俊郎さんにレクチャーをお願いしました。

IMGP0481

まずは「なぜ柿を干すの?」という説明からスタート。
「渋柿の渋みの訳は、タンニンという柿の中の物質が、
口の中のだ液のタンパク質や水分と結びついて、その物質が柿独自の苦さのもとになる。
でも昔ながらの知恵で、柿を干すことによって、タンニンを水に溶けない物質に変えてしまう。
そうすることで柿の「甘味」だけを感じられるようになり、おいしくなる」のだそうです。

今回使った柿は、西蒲区巻の柿団地でとれた「平核無(ひらたねなし)」という種類の柿。
渋柿の一種ですが、その原木は新津から来ているのだとか。
大きさはSからM。タカツカ農園の柿は、2Lや3Lともっと大きな柿だというから驚きです。
それを1つ1つ機械で皮剥きするそうです。機械での作業も“技”がいるようで、その作業は
専らおじいちゃんのお仕事なのだとか。

今日は、手作業で1つ1つ剥いていきます。

IMGP0483

IMGP0484

IMGP0487

IMGP0492

IMGP0493

関東からタカツカ農園に奨学米プロジェクトで農作業体験にきていた大学生や
高塚さんのお子さんも参加して、みんなでひたすら「皮剥き」をしていきます。

IMGP0512

「柿を剥くのも初めて」という大学生も徐々に慣れた手つきになっていきます。

IMGP0560

高塚さんファミリーがそろって皮剥きをするすがたに、
「親から子へ知恵を伝える」という当たり前の景色を見せて貰いました。

IMGP0583

かねてから「干し柿」をやってみたかったとおっしゃっていた
燕市のツバメコーヒーの田中さんも参戦!人手があると本当に速いです。
60個あまりの柿があっという間に剥きあがりました。

IMGP0592

柿が干し上がった後の“もうひと手間”についても教えていただきました。

3,4週間して頃合いの硬さに仕上がった干し柿をクリップから外し、
平べったくもみほぐし、潰していきます。もみながら好みで形を整えてきます。
もむことで、干し柿の「糖分」を、柿の中から外へと行き渡らすことが
できるのだそうです。その糖分が、白く表面に浮き出て来ます。

もんだ後の柿を平らなザルなどの上に少し置いておくと、自然と粉が吹いてくるそうです。
不思議です。そうして干し柿が出来上がります。
干し柿は冷凍保存も可能で、水分がないので凍らず、そのまま冷凍庫から出して食べられるそうです。

IMGP0593

IMGP0594

レクチャーが終わり、今度は干場の準備です。干す場所の条件は、
「風がよく通るところ」「雨に濡れない」「屋外」がポイント。

今回、干し方は、よく民家の軒先に見られるたて吊り型ではなく、
農家さんがやられる、横一列に干すやり方を教わりました。
干し柿専用のクリップ(ホームセンターで手に入るそうです)を柿を干す位置を
決めて橋渡しした棕櫚縄に適当数ひっかけ、干場づくりは完了です。

IMGP0600

いよいよ干す工程。皮剥きした柿を熱湯に20,30秒くぐらせ、殺菌したもの
にクリップをヘタの脇にぐっとひっかけるようにして留めていきます。

IMGP0611

IMGP0618

KOKAJIYA1階のレストランの軒下に、ネックレス状に柿を並べました。干したばかりのときは色がまだ鮮やかなので、クリスマス飾りのようです。

あとは3、4週、待つのみ。
少々柿が熟してきて柔らかいものもあったこと、初めての試みということで、
失敗もあるかもしれませんが、来年開催予定の「土着ワークショップ」の
ための実験ということで、少し様子を見てみたいと思います。

経過は折々、HPにて報告します。

 

11/17(日)【公開!】干し柿づくり やります

///
【公開!】干し柿づくり @室礼
日時:2013年11月17日(日)10:30〜14:00頃
場所:西蒲区岩室温泉666 KOKAJIYA2F「室礼」
講師:タカツカ農園 高塚俊郎さん(午前中いらっしゃいます)
見学自由!飛び入り参加も歓迎!
///

「土着ワークショップ vol.2」として、11/23に予定していた干し柿づくり。

今回は、例年より気候が暖かかかったため、予定していた時期に“旬”の柿が
手に入らず、残念ながら来年にゆずることになりました。

そのかわりに、「干し柿づくり」の公開制作をKOKAJIYA2F「室礼」にて、
急きょ明日の11月17日(日)に行うことにいたしました!

使用する柿は、県内でも第2位の産地である角田山のふもと、柿団地
(西蒲区巻地区)の渋柿。先週西蒲区にあるJAの産直所「越王の里
にてぎりぎり、今年最後の渋柿を手に入れました。

IMG_9381

「渋柿」は20個で700円!安いです。
産直所の隣りには柿専用の選果場もあって、この地域が柿の産地であることが伺えます。
IMG_9383

干し柿づくりを教えてくださるのは、新津でお米、柿、新潟の果物を
使ったジャムづくりなどをなさっている「タカツカ農園」の高塚さん。

高塚さんは、6年の東京でのサラリーマン生活を経てUターン。
地域にある豊かな資源を活用して、それを生かすような減農薬による
農産物(農産加工品)づくりに日々取り組んでいらっしゃいます。
次世代を担う子どもたちに楽しい「食の記憶」を提供したいと、
作物を作るのみならず、学校に出張授業をされたり、異業種の人との
連携も積極的に行ったりと、さまざまに活動の幅を広げていらっしゃいます。

タカツカ農園の「はっちん柿、ごまはっちん柿」は、毎年すぐに売り切れてしまうほどの看板商品です。

そんな「柿」のプロでいらっしゃる高塚さんが教えてくださる干し柿づくり、とても楽しみです。

IMG_9431のコピー

IMG_9433のコピー

IMG_9436のコピー

ぜひ、見てみたい、やってみたいという方は、17日
ご自由に「室礼」にいらしてください。
午前中10:30頃から、お昼を挟んで14時頃まで作業予定です。

KOKAJIYAでの初めての干し柿づくり。
はたしてどのようなものになるか、おいしくできるのか…
どうぞ見守っていてください。

また経過などHPにて報告したいと思います。