2014-02
室礼のひなまつり
いつになく雪の少ない新潟もあと数日で弥生。いよいよ春の足音が聞こえてくる季節ですね。
「室礼」も少し華やかな、ひなまつりのしつらえになっています。
階段をあがったすぐ脇の元勉強室には、KOKAJIYAスタッフのお母様のお宅に伝わる「雛人形」を飾っております。
小ぶりで、かわいらしいひな人形たちは、昭和25年に購入されたものだとか。戦後間もない時代、七段飾りの雛人形はさぞかし貴重なものだったと思います。
60年以上経てもなお、毎年大切に飾られてきた人形を眺めていると、100年以上岩室のこの地に建ち続け、まちの人々に愛されてきたこのKOKAJIYA(小鍛冶屋)の姿とも重なるものを感じます。
また、ひな祭りの源流と考えられている「流しびな」も飾っています。
一つは、3/1の土着ワークショップで作成する「流しびな」。ワークショップでは、「桟俵=さんだわら」(新潟では「棧俵=さんばいし」)とよばれるワラ細工の船と、紙と古裂でつくる人形を、桃の花包みの「折形(おりかた)」も織りまぜつつ、手づくりします。
「流しびな」とはそもそも何なのかも、少し触れられる機会になればと思います。完成後には「室礼」の空間で、KOKAJIYAのお茶とお菓子も味わっていただけます。お楽しみに。
もう一つは、「ひとひらvol.2」でインタビューをした斎藤文夫さんからお借りした鳥取の「流しびな」です。
斎藤さんは、大変な人形コレクターでいらして、ご自宅の玄関をありとあらゆる人形で飾られ、サロンのように使われています。「玩遊庵」という名のとおり、遊びの感覚に富んだすてきな空間です。たくさんの郷土玩具たちを見ているととてもほっこりした気分に。
KOKAJIYA2F「室礼」は、KOKAJIYAの営業時間中、ご自由に過ごしていただけるフリースペースとなっております。古くからいまにつながる「ひなまつり」を感じに、ぜひお越しください。
「シツライ ひとひらvol.2」ができました
室礼が発行するフリーペーパー「シツライ ひとひらvol.2」(※)ができました。
2つ折りの拡大号となる今回の特集は、「角海浜(かくみはま)」。
新潟市西蒲区福井に住む写真家・斎藤文夫さんにお話を伺いました。
取材は、斎藤さんが「火焚きじいさん」として、
囲炉裏の火を守り続ける茅葺民家、福井旧庄屋佐藤家にて。
「角海浜」とは、西蒲区の海岸部に1974年まであった村。既に過疎化が進んでいたこの村に「原発誘致」の話が持ち込まれ、それが決め手となり村民の離村が相次ぎます。そして、1974年、最後の一家が去り廃村となりました。その後、周辺住民を含む原発建設の賛成と反対の運動が渦巻く中、1996年、日本初の住民投票が行われました。そして反対多数という結果を受け、東北電力は原発建設計画の白紙撤回を余儀無くされ、撤退します。
残ったのはそこにあった自然と、原発予定地をよけて通ったうねった道路。人は去り、原発も建たなかった…。
この村を20代の頃から通い、廃村以後まで写真を通して記録し続けた斎藤さん。
地域のことなら何でも知っているという生き字引であり、過去を背負って、現在につたえる伝道師のような存在でもある斎藤さんのお話は、「ためになる」という一言では言い尽くせない、深いものがあります。
たくさんお話を伺った中の一部ではありますが、「角海浜にたくさんのことを学んだ」という斎藤さんの言葉から、今後に生きるヒントをつかんでいただけたらと思います。
数多くの貴重な写真を、「ひとひら」取材のためにお借りしました。
毎回「ひとひら」の表紙を飾るのは、市内在住のTangoさん撮影による
「岩室のどこか」の写真。
Tangoさんは、3/2(日)まで古町のイカニタで、
miyocoさんとの二人展「あした、春がきたら」を開催中。ぜひチェックしてみてください!
(※)ひとひらとは、一枚、一片の紙切れのこと。
「シツライひとひら」は、毎回、岩室や周辺地域のもの、ひと、ことを特集し、
不定期にお伝えしていくフリーペーパーです。KOKAJIYAほか、下記の場所で
順次、設置&配布します。後ほどHPでも公開予定。
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「シツライ ひとひらvol.2」
特集:~斎藤文夫さんに聞く~角海浜
発行:「室礼」
企画・編集・制作:Bricole(桾沢厚子・桾沢和典)
表紙写真:Tango
配布場所:
・灯りの食邸 KOKAJIYA
・角屋悦堂
・北書店
・marilou
・イカニタ
・hickory03travelers
・Cave Records
・テルツォ
・一酒庵
・西田屋
・F/style
・ツバメコーヒー
・新潟市美術館
・ツルハシブックス
・砂丘館
・新潟絵屋
・新潟市歴史博物館(みなとぴあ)
・三方舎 gallery
・今代司酒造
・ハチミツ新潟店
・山ノ家
・gt.moo gallery
・新潟・市民映画館 シネ・ウインド
・Blue Cafe
・store room
<順不同>
*配布のご協力をいただけるお店、施設を(個人でも)募集中!
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3/1(土)土着ワークショップvol.2 「流し雛づくり」
雛祭りの元となったといわれる「流し雛」。
3月3日の節句の夕方に、災いを祓うために 人形を形代(かたしろ)にして、
川や海に 流す習慣が各地に残っています。 雛段に飾るお雛様も素敵ですが、
祈りや思いを込めて流すという「流し雛」も、とても風情があります。
ここ新潟県でもかつては「流し雛」の風習が見られたとか。
今回は流すことはしませんが、 桟俵(さんだわら)という稲藁で編んだ船、
ひな人形、そして春の小花をあしらい、思い思いの「流し雛」をつくります。
ワークショップに合わせ、雛祭りを感じられるKOKAJIYAのお茶とお菓子も用意します。
娘さんやお孫さんへのプレゼントに、また家庭やお店など季節のお飾りやお守りに。
どうぞワークショップで手を動かして、外は寒くても 心も体もあったまる
“春のひととき”を過ごしてみませんか?
日時:2014年3月1日(土)
13:00~ ワラ細工職人 山際辰夫さんを講師に「桟俵」づくり
14:30~ 室礼スタッフとともに「人形」づくり
15:30頃 お菓子タイム
16:00終了
会場:室礼(KOKAJIYA 2階)
駐車場は「いわむろや」駐車場をご利用ください。
参加費:3,000円(茶菓子・材料費込み、当日お支払いただきます)
定員:10人
申込み方法:メール[info@bricole.jp] かTEL 0256-78-8781(KOKAJIYA)まで。
「3/1土着ワークショップ参加申込み」と明記ください。
※小さいお子様がいらっしゃる方は、お申込みの際、ご相談ください。
※定員になり次第、受付終了となります。
藁は、新潟市西蒲区夏井で穫れた稲わらを使用します。
人形は、厚紙と金色の和紙、古裂(こぎれ)で作成します。
好きな布があれば、お持ちいただいても結構です。