2014-10

土着ワークショップvol.5「カマダイづくり」レポート

秋晴れの日曜日、室礼にて土着ワークショップの5回目となる「カマダイづくり」を開催しました。

カマダイ完成

「カマダイ」とはワラ細工でつくる、釜を乗せる台のこと。釜の底が机や床につかないよう、ドーナツのように分厚くなっている鍋敷きです。昨年の10月、土着ワークショップの第1回目にやったこのカマダイづくり。もともと、小鍛冶屋の倉庫から出てきたカマダイがとても素敵だったので、自分たちの手でつくってみたいという思いで始めたのがきっかけでした。

山際さん

講師には、いつもお世話になっている黒埼民具保存会・会長の山際辰夫さんとインストラクターの山際裕子さんにお越し頂きました。

裕子さん

まずは、藁細工のもと、夏井で今年田植えから関わり、はさがけした稲の新米を、これから始める手しごとの“まかない”ランチとして、いただきました。

まかないランチ

今回のメニューはこちら↓

●KOKAJIYA特製/秋の新米茶漬け【八海山サーモンの燻製といくら醤油漬け、カラスミの出汁茶漬け】
●風呂吹き大根と柚子味噌
●蒸し茄子のお浸し
●いちじくのアールグレイコンポート

ランチメイン

デザート

ランチ風景

秋の味覚を存分に味わった後は、さっそく作業開始です。材料の稲ワラは、今回、芯の部分にはさがけして得られた稲ワラを、表面には山際さんお手製の青刈りした稲ワラを使いました。

稲ワラ

今年86歳になる山際さん。会社を引退後、藁細工を始められ、20数年のキャリアをお持ちの職人さんです。農作業の傍ら、藁細工をやられているので「おかげでボケない(笑)」と。「室礼」では、土着ワークショップの講師をしていただいたり、手作りの箒やお正月飾りなども販売させていただいています。

「稲は無駄な部分が全くない。」そう山際さんがおっしゃる通り、今回も無駄なく稲ワラを使います。まずは芯となる円をつくり、麻ひもで巻いて固定します。

芯づくり

芯づくり2

稲ワラは何となくそれ自体も炊きたてのお米のような、いい香りがします。初めて藁細工に挑戦という方も思わず鼻を近づけていました(笑)

藁の匂い

パスタ

わらすぐり

続いて芯に巻き付けていくためのワラをすぐって(短い、細い藁などを取り除く)、均一な長さに揃えます。円の大きさにもよりますが、だいたい二つ分はとれます。残った藁のくずは、山際さんが肥料などに利用されます。

ワラ束

材料が揃ったら、巻き付けを開始。この作業は最初が肝心です。最初の編み方さえマスターしてしまえば、あとは簡単な繰り返しです。

最初が肝心

みなさん、山際さんに確認しながら、慎重にスタート。

手元アップ

もう一度確認

すいすい

要領を得てしまえば、早い方はすいすい進められます。普段使わない腕の筋肉を使いつつ、集中してみなさん作業を続けます。

時折、おしゃべりしながら、みなさん円になって、まるでこの円そのものが、カマダイみたい。

円

夏井での田植えから関わったスタッフのダイドコ山倉も、嬉しそうに作業に加わります。今回が二回目ということもあり、さすがに早いです。

二回目

最後に藁束を止める縄は、畳の材料になる「イ草」を綯(な)った縄を使います。イ草は繊維が長く均一で、藁と違って細かく綯いやすいそうで、その場でも山際さんが綯って下さいました。

い草縄

縄綯い

縄がクロスしてできていくときに立てるズリズリっと鳴る音。そこにも熟練の技が表れていました。

仕上げ

最後の仕上げは力も要るので、山際さんにお願いしました。

トップバッター

トップバッターのこの笑顔!初めてとは思えない器用さと正確さで、作業を進めていらっしゃいました。

えがお

自ら田植えした稲ワラでつくる「カマダイ」に思い入れと感動がひとしおの山倉もこの笑顔。みんなで談笑しながらの作業も楽しいひとときです。

談笑

予定時間より早く終わったこともあり、2個目の製作に取りかかる方も!すばらしいです。

縄綯い指南

また、「縄綯いもしてみないか」と山際さんからご提案いただき、今度はイ草の「縄綯い」指南もスタートしました。

手つき

こちらも初めてとは思えない手つき…。縄綯いも少し板に付いてきた頃、記念に参加者のみなさんと完成したカマダイとともに集合写真!

集合写真

藁細工は、やってみると本当に楽しいものです。普段何気なく食べているお米には、必ず藁が一緒に得られます。でも、機械化された今の農業では、稲ワラは一度忘れられた存在とも言えるかもしれません。藁細工は手間がかかりますが、捨てないで活かすこと。そして、身近に使うこと。当たり前であって、でも大切なことに気づかせてくれる作業だなと思います。

少しずつ、こうして稲ワラに触る、使ってものをつくる、藁細工という技術の継承、人との出会い…藁をめぐるいろいろなものやことや人がつながりを持つこと。それがこのワークショップの醍醐味でもあります。ぜひ、また来年も続けたいと思っています。

参加者のみなさん、山際さん、裕子さん、スタッフのみんな、そして、藁を提供くださった夏井の山上さん、阿部さん、他はさがけプロジェクトメンバーのみなさん、本当にありがとうございました。今回参加できなかった方も、ぜひ来年一緒にやってみませんか?

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「土着ワークショップvol.05 藁細工・カマダイづくり」は、新潟市シティプロモーション認定事業
『にいがたアグリピクニック』(事業者名:foodrop)のプログラムです。

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11/3(月・祝)土着ワークショップvol.6 干し柿づくり 開催

DWS6干し柿

「うめしごと」に引き続き、今年はいよいよ秋の手仕事「干し柿づくり」を本格スタート。
昨年は、KOKAJIYAの軒下に実験的に干してみましたが、今年は柿の数を増やし、「いわむろや」の縁側もお借りしての「干し柿づくり」を行います。

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土着ワークショップvol.6 干し柿づくり

<干し柿づくり工程>
1回目:皮むき&干し作業(11/3「いわむろや」で開催)
2回目:干し柿回収&揉み作業(約3,4週間後 「いわむろや」で開催)
   その後、持ち帰り 又は 乾燥後「いわむろや」にて受け取り

日時:2014年11月3日(月・祝)11:00~12:30頃

定員:15人

場所:西蒲区岩室温泉96-1 「いわむろや」 伝統文化伝承館・縁側前
※駐車場は「いわむろや」駐車場をご利用ください。

講師:タカツカ農園 高塚俊郎さん

1回目参加費:3,000円(柿の葉茶と新米お茶漬けの“まかない”付き、後日干し柿12個持ち帰り、当日支払い)
※1回目参加の方は2回目は無料となります。
※1回目、2回目のみの参加も可能です。

持ち物:エプロン、ハンドタオル、使い慣れた庖丁、(屋外での作業もあるため)あたたかい服装

定員:15人

申込み方法:TEL 0256-78-8781(KOKAJIYA)/080-4051-1211(グミザワ)まで。
「11/3の土着ワークショップ参加申込み」とお伝えください。
※定員になり次第、受付終了となります。

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柿は、岩室のお隣り、県内で第2位の産地である角田山の麓の柿団地(西蒲区巻地区)の渋柿を使います。

干し柿づくりを教えてくださるのは、新津でお米、柿、新潟の果物を使ったジャムづくりなどご家族で精力的な農業をなさっている「タカツカ農園」の高塚俊郎さん。

高塚さんは、6年の東京でのサラリーマン生活を経てUターン。地域にある豊かな資源を活用して、それを生かすような減農薬による農産物(農産加工品)づくりに日々取り組んでいらっしゃいます。次世代を担う子どもたちに楽しい「食の記憶」を提供したいと、作物を作るのみならず、学校に出張授業をされたり、異業種の人との連携も積極的に行ったりと、さまざまに活動の幅を広げていらっしゃいます。タカツカ農園の「はっちん柿、ごまはっちん柿」は、毎年すぐに売り切れてしまうほどの看板商品。

そんな「柿」のプロでいらっしゃる高塚さんが教えてくださる干し柿づくり、ぜひご一緒にやってみませんか?

まかないは、「季節のKOKAJIYAまかない茶漬け」といわむろやの定番商品から柿の葉茶をセレクト。11/3、いわむろやでは「うんめもん祭り」も開催され、とても賑やかで楽しいワークショップになりそうです。お誘い合わせのうえ、ご参加お待ちしております!

昨年の様子↓

干し柿2013_1

干し柿2013_2

干し柿2013_3

干し柿2013_4

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「土着ワークショップvol.6 干し柿づくり」は、新潟市シティプロモーション認定事業
『にいがたアグリピクニック』(事業者:foodrop)のプログラムです。
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