2014-01

節分のしつらい

2014年が始まり、あっという間にひと月が経とうとしています。
先週「水引」の展示が終了し、室礼は節分モードです。

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「節分」は、季節の節目。
古くから、季節の変わり目には邪気(鬼)が生じると考えられ、
それら厄を祓う習わしが行われてきたといいます。
特に立春(春の初め、2/4頃)前日の「節分」は、旧暦の大晦日にあたることから、
とりわけ盛大だったとのこと。

現在の「鬼は外、福は内」の掛け声とともに、煎り豆を投げる行事は、
大元をたどると平安時代の「追儺(ついな)」という宮中行事に由来するといいます。
鬼に扮した舎人(とねり、従える者)を殿上人(てんじょうびと)が追い立て、
桃の弓に蓬(よもぎ)の矢を射って穢れを祓い、新年を迎えたそうです。

現代の節分といえば、節分豆に鬼面。家庭や寺社での「豆まき」。
鬼の嫌がる柊(ひいらぎ)と鰯(いわし)を門口に飾るなど、地域独自の風習があります。
鬼のお面と対になる縁起物、お多福面を飾ったりもします。

そこで、お多福面とも関連する「能面」の小面(こおもて)を今回、
「ひとひらvol.01」で取材させていただいた夏井の阿部朝幸さんにお借りして飾っています。
(2/22頃まで)

この「小面」は彫刻家、故・早川亜美(あみ)氏の手によるもの。
早川さんは、明治最後の年に新潟市に生まれ、彫刻を学び、台湾へ渡り、
途中戦争に出るが、復員後も制作に取り組み続け、既存の会派に所属せず
独自の芸道に励んだという。KOKAJIYAのある岩室温泉からもほど近い海辺の村、
間瀬(まぜ)にあった銅山精錬所跡にアトリエを設け、昭和55年に亡くなるまで
制作活動を続けられたそうです。主な作品に「新潟国体聖火台」(火焔土器型)、
「越後七浦観音」(現・間瀬夕日パーク広場)など。

「能面」には彫刻を始めた頃から魅せられたようで、市内で能面展を開催。
良寛に惹かれ、良寛像を制作したり、火焔土器をはじめ、原始土器の研究や制作も
行っていたようで、「室礼」としても気になる方です。

能舞台では、若い女性の面として使われる「小面」の早川氏の手で醸し出された
何とも言えない表情を、この機会にどうぞご覧いただければと思います。

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Posted on 2014-01-30 | Posted in お知らせNo Comments »

 

「室礼」事始め、小鍛冶屋の「水引」を展示

1/8、KOKAJIYAの新たな1年が始まりました。合わせて、2014年の「室礼」もオープンしています。
今年もよろしくお願いいたします。

新年の始まりということで、展示の第4弾に選んだのは、「水引」。
お正月らしい、少し華やかなシツライでお待ちしております。

  mizuhiki
シツライ展示#4

結ぶ
小鍛冶屋の水引

展示期間:1/25(土)19:00まで。火曜、第1水曜定休。
企画・展示:Bricole

小鍛冶屋の大掃除の際に出てきた、水引の結び方の見本帖。
お茶やお花に造詣の深い家主だったので、
このような風雅な技芸もたしなまれていたのでしょう。

結び方の詳細はわかりませんが、ひとつひとつの結び方に
名前や意味があります。蝶結び、花結び、あわじ結び、宝船…。

台紙に、明治時代の賞状などの厚紙を再利用されているところからは、
ものを大切に使おうとされるお心も伺えます。

水引のみならず、紐や紙、藁縄や風呂敷など、
さまざまなものを「結ぶ」という行為は、
日本が古来から伝えてきた芸術のひとつ。

人と人の心を結び、幸運を育むとされる水引。
この岩室温泉・KOKAJIYAでも
今後たくさんの人と人の“縁”を結ぶことができますように…。
そんな願いを込めて。

 

●「水引」(みずひき)とは
贈り物や包み紙などにかける和紙でできた飾り紐。
和紙を紙縒り(こより)状にして糊をひき、乾かして固めたもので、
室町時代の後期には使われていた。さまざまな結び方が考案され、
立体的な水引細工は、祝儀や縁起物、髪飾り、結納飾りなどに用いられる。
長野県飯田の「飯田水引」や石川県金沢市の「加賀水引」が有名。

 sasamuzubi

Posted on 2014-01-09 | Posted in お知らせ, イベントNo Comments »