2015-10
ひとひらvol.6ができました!
不定期で発行している「シツライ ひとひら」のvol.6ができました!
今回の特集は「いろり2」。にいがた稲作文化シンポジウム『暮らしの骨格』と題して6/28にお隣、福井集落にある旧庄屋佐藤家で行った「いろり座談会vol.2」の内容を収めました。
稲作を軸とした生活文化に深く精通する5人の識者を招き、囲炉裏を囲みながら、3時間に及びおこなった座談会。座談は、長く日本人の暮らしの中核にありながら、現代ではほとんど見ることのなくなった「囲炉裏」を話題の中心に据え、何が失われ、何が残り、私たちはそこから何を受け継いでいくのかをテーマに語り合っていただきました。
紙面には、座談会の配布資料にも使用させていただきました、故・中村三郎さん(旧東頸城郡大島村)の絵と文で郷土の生活を綴った冊子『山は残った』『川ヨ涸れるな』の図版も一部掲載しております。
この座談をやるにあたり、とても参考になり、また「むかしのくらし」の漠然としたイメージをより実感に近いものに感じるための大切な資料となりました。この場をお借りして、ご子息の中村正紀さん、この本を教えていただいた斉藤文夫さんに感謝いたします。
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「シツライ ひとひらvol.6」
特集:いろり座談会vol.2 にいがた稲作文化シンポジウム『暮らしの骨格』
座談者【敬称略】:
五十嵐稔(新潟県民具学会会長)
斉藤文夫(郷土研究家、写真家、佐藤家囲炉裏の火焚き爺さん)
宮崎清(千葉大学名誉教授、アジアデザイン文化学会総会長、『図説 藁の文化』著者)
結城登美雄(民俗研究家、「地元学」提唱者)
山上力(新潟市西蒲区夏井の稲作農家)
企画・製作・発行::Bricole(桾沢厚子・桾沢和典)
表紙写真:Tango
※今号は、新潟市水と土の芸術祭2015 市民プロジェクト助成事業「にいがた稲作文化ドキュメンタリー&シンポジウム『暮らしの骨格』」の一部として製作しました
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「ひとひらvol.6」は新潟中心に関係各所で配布しています。ぜひ、お手に取って読んでみて下さい。
配布場所リストは↓↓↓ (順次追加予定)
ひとひら配布場所:
●新潟市西蒲区
・灯りの食邸 KOKAJIYA
・いわむろや
・角屋悦堂
・福井旧庄屋佐藤家
●新潟市中央区
・北書店
・marilou
・hickory03travelers
・新潟絵屋
・砂丘館
・F/style
・新潟・市民映画館 シネ・ウインド
・りゅーとぴあ
・今代司酒造
・新潟市美術館
・新潟市歴史博物館みなとぴあ
・ブルーカフェ
・スズキ家の茶ノ間
・はちみつ専門店エルスール
・ISANA
・ヒメミズキ
・蔵織
・MAUI store
・Hoshino koffee & labo.(予定)
・医学町ビル
・企画製作室Bridge
・日和山五合目
●新潟市北区
・nico
●新潟市東区
・西田屋
●新潟市西区
・ツルハシブックス
●新潟市江南区
・北方文化博物館
●新潟市秋葉区
・三方舎 gallery
・日々の道具・手仕事の店 tetote
●燕市
・ツバメコーヒー
・一酒庵
●三条市
・真昼造船
●十日町市
・山ノ家 カフェ&ドミトリー
・ギャラリーやきもの語り吉田明作品館
●上越市
・高田世界館
<順不同>11/10現在
*配布のご協力をいただけるお店、施設、個人の方も募集中!
11/8(日)土着ワークショップvol.11 干し柿づくり 開催
【土着ワークショップvol.11 干し柿づくり 前編】
今年も干し柿づくりの季節がやってきました。昨年に続き、角田山山麓、巻の柿団地の柿農家・長津さんの渋柿を使わせていただき、岩室温泉「いわむろや」での開催です。講師は秋葉区タカツカ農園の高塚さん。楽しくおしゃべりしながら皮をむき、軒下に柿色のネックレスをつくりませんか?作業後は、みんなでKOKAJIYAのまかないランチをいただきます!
昨年の干し柿づくりの模様はこちら>>【前編】【後編】【完成】。
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◇日時:11月8日(日)10:30~13:00頃
◇会場:いわむろや 伝統文化伝承館 (新潟市西蒲区岩室温泉96-1)
※無料駐車場あり
まかないはKOKAJIYA2F「室礼」(新潟市西蒲区岩室温泉666)にて
◇講師:タカツカ農園 高塚俊郎さん
◇参加費:3000円/学生2000円【学制割始めました】(講習費+KOKAJIYAのまかないランチ+後日干し柿12個持ち帰り)
※中学生以下参加無料(その場合はランチ、干し柿は別途)
※前編ご参加の方は、後編は無料。前編・後編のみのご参加も可能です。
◇持ち物:エプロン、ハンドタオル、使い慣れた包丁、(屋外作業があるため)温かい服装
◇定員:15名程度
<干し柿づくり工程>
●前編(今回):皮むき&干し作業
●後編(次回):干し柿回収&揉み作業(約3,4週間後「KOKAJIYA2F室礼」にて)
その後持ち帰り、又は、乾燥後受け取り(お渡し場所はご相談のうえ決定)
<まかないランチメニュー>
塩と「きりあえ」でいただく新米ごはん(西蒲区産コシヒカリ)、お味噌汁、柿と柿の素のマリネ、鶏モモ肉の酒粕コンフィ、柿茶、自家製羊羹
◇お申し込み・お問い合わせ:080-4051-1211 info@bricole.jp 担当:ぐみざわ
「お名前、人数、ご連絡先」をお知らせ下さい。
※お子様もご一緒に参加できます。お申し込みの際、ご相談ください。
11/2現在、定員に達しました。お申し込みありがとうございます。
◇共催:新潟市岩室観光施設いわむろや、Bricole、KOKAJIYA2F「室礼」http://shitsurai.bricole.jp/
◇協力:灯りの食邸KOKAJIYA、foodrop
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土着ワークショップvol.10 藁細工・カマダイづくりレポート
秋晴れの9月27日、江南区の北方文化博物館にて、久しぶりの土着ワークショップを開催しました!
今回お借りした「常盤荘」は、豪農・伊藤家の旧家のはなれ。普段はお茶会などに利用されるという畳敷きの広い空間は、縁側を開け放すと、ハスの池や赤く染まり始めたモミジが見え、とっても気持ちの良いワークショップ会場に!そこへ7月末に青刈りした新しい稲ワラの匂いが広がる中、多くの参加者の方に「カマダイ」づくりに挑戦いただきました。
講師であり、材料のワラやイグサもご提供くださっている黒埼民具保存会の山際辰夫さん(今年87歳!)から、最初にカマダイや稲わらに関する説明をいただき、作業をスタート。
山際さんに教えていただく「カマダイ」づくりは3回目ですが、山際さんは毎回事前に試作品を作り何度も練習をしてから臨みます。熟練した技を持った藁細工職人でありながら、実際にカマダイを民具保存会の先輩方から学んだのは、何十年も前。その手の勘を思い出すのには、やはり「数つくらんばだめだね」とおっしゃる山際さん。毎度準備や勉強を怠らず、材料もきれいに束ねてご用意くださる姿には、本当に頭が下がります。
はじめの作業は、芯づくり。今回のカマダイは、中の芯を改良しました!「すぐったワラくずが一番いいんだ」という、山際さんのご助言のもと、ワラくずを数本のワラで束ねて芯をつくりました。この際いかに凸凹せずに、均一に円をつくれるかがポイントです。
芯ができたら、編み作業に入ります。要領を掴むとあっという間に作業が進むのですが、それまでが大変…。リズムよく、均一に密に、ワラ束数本を編み込んでいきます。この時、常に片方の手でワラ束を抑えていなくてはならないので、力が入り、とても疲れます。肩や腰にくる…。時折休みも入れつつ、それをなんとか根気強く継続し、一周の編み込みが終わるとなんとも言えない達成感!こうしてワラを触っているのがまた楽しい時間なのです。
4カ月の赤ちゃんを連れてご参加くださった方もいらして、その小さな手にワラを握らせていらした様子は、とてもすてきな光景でした。その方から、「出産を機に、昔からの仕事や知恵だったり、自分の手でつくる楽しさだったりを娘にも伝えたいと感じるようになり…」とのコメントもいただき、主催者としてはとても嬉しかったです。
今回ご参加いただいたみなさんは、ほとんどがワラ細工初心者。それでも、みなさん何かしらモノづくりをされていたり、手仕事が好きだったり、そして嬉しいのは親子3代でご参加という方もいらっしゃいました。最後まで集中して真剣に取り組まれていた姿が清々しく、とても印象的でした。
こちらは午後の部の様子。こちらもみなさん集中し、会場には静かな時間が流れていました。
そして、奇しくも当日は中秋の名月。そんな日に似合う、また作業の疲れを癒すお菓子は、古町のおむすび屋、むすびや百(もも)さんにお願いしました。旬の栗やクルミ餡の「おはぎ」、とっても美味しく、優しい甘さが体に沁みました!みなさんぺろりと召し上がっていました。お子さんも「美味しいー」と嬉しそう。
完成したカマダイといい笑顔をいただきました!
最後に、できあがったカマダイを持って、恒例の記念撮影!(一部切れてしまい、すみません…)お疲れ様でした!
「カマダイ」づくりを通して、手間ひまをかけ、自分の手でモノを作る楽しさを感じられたかなと思います。ワラ細工は、匂いといい、ワラ素材の面白さといい、やればやるほどクセになる気がします。お米は身近だけど、ワラは身近ではなくなってしまった今、改めて、「自然からの恵みをちゃんと使う」こと、そこから「生活がつくっていけること」を少しでもこうした体験を通して一緒に共有し、住んでいる土地やそこに住んできた先人たちに、「ありがたいな」という気持ちが湧いたら、「土着ワークショップ」企画者としては嬉しいなと思います。
藁文化研究第一人者の宮崎清さんがおっしゃっていました。「藁の文化が消えたら、この国はおわりだ」と。本当にその通りだなと思います。今後も継続してゆきたいと思います。今回参加したかったけど、難しかったという方もいらっしゃいました。また次回ぜひご参加ください!改めて、ご参加いただいた皆様、北方文化博物館のスタッフの方、むすびや百さん、そして山際さんご夫妻、裕子さん、お手伝いの高松さんにお礼申しあげます。どうもありがとうございました!またよろしくお願いいたします。
※「土着ワークショップ」とは…昔ながらの生活に当たり前にあった「暮らしの基礎技術」を講師を招き体験して学べるワークショップ。2013年よりスタートし、岩室温泉のKOKAJIYA2F 室礼(シツライ)などを拠点に様々な場所で不定期に展開中。
企画・運営:ブリコール 桾沢和典・厚子
※「土着ワークショップvol.10 藁細工・カマダイづくり」は、水と土の芸術祭2015の市民プロジェクト「にいがた稲作文化ドキュメンタリー&シンポジウム 暮らしの骨格」の中のプログラムの一つとして開催しました。材料のワラは、山際さんとともに5月に田植えをし、7月に刈ったものを使用。プロジェクトでは、その田植えから稲刈り、ワラを使った注連縄づくりまでを映像として残す活動も行っております。
ご興味のある方は、ぜひこちらもご覧ください。