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【レポート】土着ワークショップvol.12 竹細工・煮ざる

昨年の12/6、土着ワークショップvol.12竹細工の「煮ざる」づくりを行いました!12月に入り、いつ雪が降るかと心配していましたが、この冬は暖冬ですっきりと晴れ、いいお天気の中での開催となりました。

竹細工イメージ

竹細工ポスター

岩室温泉からもすぐ近く、西蒲区和納在住の竹細工職人、阿部晋哉さんにお会いしたのは、2013年の夏。小鍛冶屋の倉庫にあった「林檎かご」を作ってみたいと思い、職人さんを探したのが始まりでした。

愛犬とあべさん

阿部さんご紹介

新潟は、佐渡産の竹かごなどが知られていますが、市内のこんなご近所に職人さんがいらしたことは、本当にありがたいことでした。ワークショップのご相談をする中で、素人でも数時間でできるものとして「煮ざる」を選び、2014年に初開催しました。

阿部さん

阿部さん曰く、新潟県内の竹は「孟宗竹(もうそうちく)」が一般的で、佐渡のかごに使われる「真竹(まだけ)」は、佐渡が北限なのだとか。阿部さんご自身は、竹細工のメッカ・大分県別府で修行をされたご経験から、今も九州産の「真竹」を使用されています。同じ「真竹」でも、佐渡産は少しかたく、加工するには、しなやかさの強い九州産が良いとのこと。今回のワークショップでも、九州産のものを使いました。

竹細工は、丸い竹からひごにするまでの加工が一番大変だそうで、11~12月に採り、苛性ソーダで漂白をして1ヶ月干したものを専用の器具で何回かに分けて割き、つくるものに合わせ厚さ・幅を決め、ひごに加工していきます。竹自体は身近にも見かけますが、それを加工するのがひと手間もふた手間もかかるため、昔ながらの竹かごなどの製品は、現在ではプラスチックや他の素材に取って代わられています。それでも、見た目の風合いや、成長の早い竹は永続的な利用も可能で、環境への負荷が少ないという良さもあり、今あらためて竹製品は注目されていると思います。

前置きが長くなりましたが、そんな竹を使った「煮ざる」づくりは、今回で2回目。煮ざるとは、餅や魚を煮る際に、鍋底にくっつかないようにするために使われるものです。平面的な円形のざるもありますが、この煮ざるは端っこを銅線と籐でしばり、見た目にもかわいらしいかご状のもの。お菓子などを入れるかごやインテリアの飾りとしても映えるので、使う人の工夫次第で自由に使えます。

スタート

講師の阿部さんの自己紹介のあと、少しずつ行程を分け、阿部さんの見本を見ながら、参加者の皆さんがそれぞれ手を動かして「六つ目編み」という竹細工の中でも基本的な編み方を学んでいきました。

最初の見本

阿部さんお手製のガイドボードの線(六角形となるようあらかじめ線がひかれている)を目安に、竹ひごを並べます。

6角形をつくる

最初の6本が組めたら、小さな真ん中の六角形ができます。ポイントは、ひごの表面にある節(黒っぽい部分)をなるべく真ん中に寄せると、見た目にもすっきりと美しいかごができます。

7本目

2周目見本

そして、次の6本を1工程として、両手を使って、少しずつ確認しながら、6本ずつを編みこんでいく作業を繰り返します。このとき、しっかり正六角形となるよう編み目を調節しながら、丁寧に編み込んでいくとうまくいきます。

2周目作業中

最初は竹ひごの上下が分からず、慣れるまで時間がかかりますが、繰り返していくとだんだん編む原理がわかってきます。阿部さんもお一人ずつまわりながら、教えてくださいます。

3周目

阿部さん教える

親子でご参加くださった方もいらして、お母さんの作業をじっと見つめていました。

お子さんと

竹ひごの“弾力”を感じながら、手先を動かすこの作業は、とても楽しいです。

編み作業2

編み作業

そうして、4周分(4行程)を編み終えると、大きな正六角形模様がみえ、あとは端の方をとめるだけ。

はし留め

はし留め2

はし留め3

銅線で先の方6か所を留めると、すっかりかご状になります。留める位置を調節することで、竹のカーブが調節でき、好きな位置で止めておきます。

かご状

その上にさらに、水で湿らせた籐(とう)を巻き付け、銅線を隠していきます。

籐仕上げ見本

籐

籐仕上げ

籐仕上げ2

仕上げヘルプ

参加者の皆さん、最後までとても丁寧に編まれていました。会場もとっても静かで、写真から皆さんの集中度合が伝わりますでしょうか?そしていよいよ、編み目の密度もかごのカーブも異なる十人十色な「煮ざる」が出来上がりました!ものづくりのワークショップをやっていると、いつもこの違いが面白いなと思います。同じやり方でほぼ同じ材料でつくっていても、個性が出るんですね。

作業終了後は、新潟の農家さんたちが大切に育てた果実の1年の恵みがギュッと凝縮されたDAIDOCOのシュトーレンをおやつにいただきました。

シュトーレン

シュトーレンと煮ざる

そして、全員で記念撮影!

記念撮影

12月の定番ワークショップになりそうなこの竹細工。しなやかな竹ひごを幾何学的な模様に編み込んでいく作業は、なんというか無心になれる、とてもいい時間です。できた作品もとてもきれいですよ!ぜひ、また2016年も開催できればと思っています。

ご参加の皆様、阿部さん、KOKAJIYAのスタッフのみんな、広報のご協力をいただいた皆様、ありがとうございました!!年をまたいでのレポートとなってしまいましたが、最後までご覧いただきありがとうございます。