お知らせ, 注連縄・しめ飾り
山際さんの注連縄(しめなわ)制作風景
ツイート土着ワークショップで「ワラ細工」を教えて下さる黒崎民具保存会・会長の山際辰夫さん。
山際さんは、毎年夏頃からこつこつと“お正月飾り”の作成を始めます。8月、新潟市西区のご自宅兼作業所にお邪魔した際には、7月末に青刈りした稲藁をたくさん干していらっしゃいました。
一束ずつ、茎以外のはかまと呼ばれる外側の部分をのぞきます。この選別作業で除いた部分も捨てずに肥料などに使うそうです。
青刈りした藁は乾燥させ、水分を飛ばします。カビが生えないよう注意して行います。車庫内には藁の香りがひろがっていました。
9月には、注連縄の一部に使う“大黒米”もご自宅前のガードレールに干されていました。初秋の夕暮れ時、土地の恵みを感じさせる、なんともいえない風景です。
この他に“赤米”や“黒米”もあります。こうして、注連縄や玉〆めといった正月飾りや藁草履、鍋敷きなどさまざまなワラ細工になる材料を山際さんは一からご自身の手で作っています。中でも正月飾りは毎年、近所や地元の方から計130個以上(!)の注文がある定番品です。
【以下は、昨年の注連縄制作の様子です】
まず材料のワラとワラで作った芯を準備します
ねじりながら、2つのワラ束を交差させていきます
このとき足でおさえるので、裸足での作業!(寒いです)
あるところまで編むと、ワラで作った芯を入れ込みます
太くなったワラ縄にさらに、ワラ束を巻き付けます
神棚の大きさに合わせたサイズ(1尺〜3尺まで)をお手製の竹の定規で確認
最後に飾りのパーツを付け、ワラ縄で縛り、紙垂(しで)をつけて完成!
ご自身で材料を作っているからこそ、「量をケチらずふんだんに、ぎっしり使う」というのが山際さんの注連縄づくりのモットーだそう。確かにスーパーなどで見られる注連縄よりも、ぎっしりしています。注連縄の頭に使うのは、実が丸くて、真っ直ぐに立った“大黒米”。
また玉〆めの尾っぽの部分には、ヒゲの付いた“赤米”を使っています。ここにも山際さんのこだわりが光ります。
翌年用の種籾。左から赤米、黒米、大黒米、黒米(種なのでこれだけの分量でいいようです!)
毎年、使う分だけの種籾を残し、また来年に綿々と繋げます。ここまで一貫したものを、思い切った使い方をする古代米のあしらいはスーパーや産直販売所で店頭に並ぶ飾りではあまり見られないものです。
ワラのギッシリ感や安定感を感じさせる、凛とした注連縄。素朴でありながら、ワラ縄や結びなど、繊細な技術が凝縮した玉〆め。どちらも長年、このお正月のワラ細工を30年以上作り続けてきた山際さんの、またその山際さんに技術を伝えた先人たちの思いがしっかりと乗った重みのある作品だと思います。
山際さんの「毎年、これがあるから生かされている。生き甲斐なんだ」という言葉がとても印象的でした。
そんな注連縄と玉〆めを、今年もオーダー販売させていただきます。
実物が気になる方は、「室礼」展示していますので、ぜひ見にいらしてください。
オーダーの受付は11/30まで。12/15をもって終了いたしました。ご注文ありがとうございました。
メール[info●bricole.jp](●の部分を@に変換してください) か 電話[080-4051-1211](担当:グミザワ)にてご連絡ください。
山際さんのお正月飾りで、清々しい新年をお迎えいただければ嬉しいです。
※商品の詳細、オーダーについては、こちらをご覧下さい。
価格はこちら↓
●注連縄
1尺5寸(約45cm)・・・・2,400円(税込み)
1尺(約30cm)・・・・1,800円(税込み)
●玉〆め
小(約10cm×約30cm)・・・・1,500円(税込み)
大(約15cm×約40cm)・・・・2,000円(税込み)