土着ワークショップ [DWS]

土着ws vol.3 うめしごと01 青梅シロップ&梅味噌づくり レポート<前半>

藤五郎梅

6/18、土着ワークショップの3回目を行いました。

梅雨時期の手仕事といえば梅仕事ということで、今回は「うめしごと01」と題した「青梅シロップ&梅味噌づくり」です。

平日開催にもかかわらず、定員いっぱいのご参加をいただき、感謝感激です。今回は「子どもも一緒に出来る!」ということで、保育園、幼稚園を休んで、かわいいお子さんたちも参加してくれて、会場をにぎわせてくれました!本当にありがとうございます。

ではさっそく、ワークショップの様子をレポートしていきます。

これから梅ランチ

まずは、梅づくしのランチから。

今日の主役は、江南区のひかり畑さんの無農薬で育てられた藤五郎梅。ワークショップの2日前に連動企画として、収穫体験させていただいたばかりのとれたて梅です。そんな梅のことやメニュー、素材へのこだわりなど、企画者のプランナー山倉あゆみと今回の講師、DAIDOCOパティシエ佐藤千裕さんのお話から、ランチタイムのスタートです。

梅ランチ

「昨年の恵みに感謝して」特製梅ランチメニュー

 ●宮尾農園のお米で梅干しおにぎり
 ●味噌漬けカリカリ梅ごはんに梅味噌を乗せた焼きおにぎり
 ●本町きゅうりのサラダ 梅味噌と一緒に
 ●梅シロップで梅ゼリーと青梅の甘露煮

ランチ中

“昨年の恵み”で仕込んだ梅干しや梅味噌、そして梅シロップをふんだんに使ったランチは、とても美味しくて、思い出すだけでも食欲をそそられます。中でもまあるい梅味噌乗せ焼きおにぎりは絶品でした!(レポート<後半>の最後には、おにぎりを作っているところの写真もあります)

梅ゼリー

締めは、梅シロップを使った梅ゼリー。爽やかでしっかりとした梅の味を堪能しました。
これからつくる「梅味噌とシロップ」を試食し出来上がりのイメージを膨らませ、「よぉ〜し」と気合が入ったところで、いよいよ作業へ。

机のうえ

シェフの話

今回の保存瓶には、大塚硝子のものを選びました。取手がステンレスで錆びにくく、長持ちします。
ずらりと保存用の瓶が並んだ机に、ひかり畑さんの青梅がとっても清々しい色合い。保存食は内容量とのバランスを見て、自分のセンスにあったもので作ると、日々の観察が楽しくなります。
全員揃ったところで、KOKAJIYAのシェフ、熊倉誠之助から「こういったワークショップなどを通して、レストランというだけでなく、地域に溶け込んだ場所でありたい」という抱負も語られ、作業開始です。

レポート<後半>へつづきます

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「土着ワークショップvol.03 うめしごと01」
新潟市シティプロモーション認定事業 『にいがたアグリピクニック』 事業者:foodrop

 

6/18(水)土着ワークショップvol.3 「うめしごと01-青梅シロップ&梅味噌-」開催します

うめしごと

「室礼」では、「土着ワークショップ」(※これまで土着ワークショップの模様はページ下をご参照)と題し、岩室地域をはじめ、新潟に伝わるさまざまな文化や生活の知恵を今後に残し、生かしていくためのワークショップをシリーズで展開しています。小さなことから「土着のもの」を取り入れ、自らの手や身体を使って、今の暮らしをリフレッシュしていく。そんなことを、この場所から展開そして発信できればと思います。

昨年の干し柿づくりに続き、今年は、“保存食”にも力を入れていきます。まずは、初夏の「梅仕事」から。梅はこれから暑くなる時期の体に、とっても良い効能をもたらしてくれる食材です。ひと手間かかりますが、丁寧な梅仕事をみんなで勉強して、旬の力でこれらかの季節に負けない身体をつくりましょう!

「うめしごと」第一回目の主役は、江南区にあるひかり畑さんの「藤五郎梅」。農薬を使わずに森と同じような環境で土や木の力のみで育った自然栽培の青梅で、「青梅シロップ&梅味噌」づくりを学びます。その他砂糖、味噌などもダイドコ厳選食材を使用!なお、これから年間を通して、新潟のフィールドから学べる「季節の保存食作り」を展開していきます。次回は完熟梅で梅干づくりを予定しています。

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土着ワークショップvol.03『うめしごと01―青梅シロップ&梅味噌』
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日時:2014年6月18日(水)13:00~15:30 

内容:
●13:00~ まずは、KOKAJIYA特製“梅”ランチ
「おにぎり(梅干/梅味噌)/本町きゅうりの梅きゅう味噌/青梅ゼリー」をいただきます。
その後、講師のダイドコパティシエ佐藤千裕から「今日の梅のお話」

●14:00~ 「青梅シロップ&梅味噌づくり」の作業をスタート(作業:1時間半程度)
家庭で楽しむ梅しごとをわかりやすく、楽しくお教えします。

●15:30ごろ 終了
出来上がったシロップと味噌は、各自で瓶ごとお持ち帰りいただけます。

会場:室礼(新潟市西蒲区岩室温泉666 灯りの食邸「KOKAJIYA」 2階)
駐車場は「いわむろや」駐車場をご利用ください。

参加費:5,000円(ランチ+梅など材料費+保存瓶2つ付き、当日お支払い)
持ち物:エプロン、ハンドタオル、重い瓶が入る布製の持ち帰り袋
定員:15人

申込み方法:TEL 0256-78-8781(KOKAJIYA)/080-3514-6907(ダイドコ佐藤)まで。
「6/18の土着ワークショップ参加申込み」とお伝えください。⇨定員に達しました。ありがとうございます。

※小さいお子様(2歳から一緒に作業可能!)も参加できます。ランチについてはご相談ください。
※6/16番外編「梅の収穫体験」に無料でご参加いただけますので、参加の有無をお伝え下さい。
※定員になり次第、受付終了となります。

 

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【連動企画】土着ワークショップvol.03番外編
『梅の収穫に行こう!@ひかり畑』

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連動企画として、江南区の農家・ひかり畑さんのご協力により、今回は特別に現地での梅の収穫体験をお願いしました!6/16、6/18と両方ご参加いただくと“収穫から梅しごとまで”通しで体験できます。
収穫だけのご参加も可能です。奮ってご参加ください。

日時:2014年6月16日(月)13:00~15:00(2時間程度を予定)

集合場所:アスパーク亀田(亀田総合体育館) 新潟市江南区茅野山3-1-13
※ 集合場所から現地ヘご案内いたします

参加費:梅の代金のみ(1キロあたり800円頂戴します)
※6/18の土着ワークショップにご参加の方は、ワークショップ時に材料費を頂くので無料です

申込み方法:TEL 0256-78-8781(KOKAJIYA)か080-3514-6907(ダイドコ佐藤)まで。

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「土着ワークショップvol.03 うめしごと01」は
新潟市シティプロモーション認定事業 『にいがたアグリピクニック』(事業者:foodrop)となります。
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これまで開催した「土着ワークショップ」はこちら↓
●vol.01 新米ごはん&ワラで鍋敷き作り
●番外編 【公開!】干し柿づくり
●vol.02 流し雛づくり

 

土着ワークショップvol.2「流しびなづくり」レポート<後半>

「流しびなづくり」は、前半の「桟俵」づくりを終え、紙と布による「ひな人形」づくりの行程へ。

【下準備】男雛・女雛の頭部分を紙粘土(軽いタイプ)と白い水引で、また着物の型紙を画用紙で作る。

かお

【10】まずは着物の布選び。小さいながら味わいを出すために、古裂(こぎれ)や端切れを使います。

古裂

様々な布を用意し、男雛・女雛の好きな組み合わせを選びました。

選ぶ

【11】画用紙に沿って古裂を大きめに切り、ボンドで貼って着物部分を再現。和紙の金紙で帯や袴も同様につくっておく。首を差し込む穴を忘れずに。

人形01

人形02

もくもくと

細かな作業を、みなさん無心に進めます。

【12】ボンドが乾くまでの間に、顔部分に目や口などを書き入れる。(顔を書き入れる作業は、着物に顔を固定する前の方が書きやすいとのことで、次回からそうします!)

顔さがし

顔は様々な地方の人形や郷土玩具の「お雛様」の表情を参考に決めました。

顔付け

【13】穴に首をさしてテープで固定し、帯や袴をつける。これで「ひな人形」の完成です。

続いて、飾り部分。

【14】桃の花に、日本古来の伝統の包み方「折形(おりかた)」(※)の花包みを施す。今回は、初めての挑戦ということで、山折り、谷折りのガイドをつけて折ってみました。桃の節句を意識して、2色(白、ピンク)の和紙を重ねました。

(※)折形・・・贈り物を和紙で包んだり、儀式などに用いる飾りの紙を折る礼法。鎌倉〜室町時代に生まれ、武家の礼法の中で発展。江戸時代に庶民へも広まり、戦前までは定着していた。相手を思い、敬う気持ちを基盤とする礼のこころを表現し、人間関係を円滑にするための知恵。ものをむき出しにすることを嫌う日本人特有の美しい感性や、四季の移ろいを繊細に表現する。

おりかた

【15】いよいよ「ひな人形」を「桟俵」にバランス良く置き、平たい竹ひごで固定。そこへ桃の花や菜の花を添え、室礼特製のお札を挟んで「流しびな」の完成です。

完成品

最後に完成した「流しびな」を持って、記念撮影!(残念ながら時間の関係で全員での撮影が叶わず…)
記念撮影

そしてお楽しみ、一仕事を終えた後のお茶菓子タイム。KOKAJIYAオリジナルの陶の器に素敵に盛られたスイーツは春を感じる取り合わせ。

おかし

「平飼い卵と桃のふわり巻き」と「桜と苺のトリュフ」。DAIDOCOの山倉あゆみさん作です。

いただきます

おいしそう

できたての「流しびな」を眺めながら、本当に美味しくいただきました。

3時間にわたる盛り沢山なワークショップとなりましたが、充実した、世界でひとつだけの思いを込めた「流しびな」ができて参加者の方も満足そうでした。ご参加いただき、本当にありがとうございました。

つくりました

今回は流さない、飾るための「流しびな」をつくりましたが、来年は、岩室からすぐ近くのホタルで有名な矢垂川(やたれがわ)に流してみたいと思っています。風情ある、地域の人々の心に残る光景を、再びこの場所から作れたら…そんな夢を描いています。

最後までレポートを読んでいただき、ありがとうございます。次回の土着ワークショップはまだ未定ですが、決まり次第ご案内します。興味を持って下さった方、ぜひ今後HPなどをチェックしてみてください。

まねきねこ

 

土着ワークショップvol.2「流しびなづくり」レポート<前半>

今年初の土着ワークショップは、「流しびなづくり」。
春の足音も少しずつ聞こえてきた3/1の午後、ほんのり日の射す「室礼」で和やかにスタートしました。

レポート<前半>では、初心者では1時間半程かかる「桟俵(さんだわら)」づくりをお伝えします。

スタート

桟俵の説明

はじめに、講師の黒崎民具保存会会長・山際辰夫さんによる「桟俵」についてのお話。
新潟では米俵の側面に使うのが主で、「棧俵」という同じ漢字でも、「さんばいし」という呼び名の方が馴染み深いのだとか。

余談ですが、新潟市江南区(旧横越町)木津に「棧俵(さんばいし)神楽」というお神楽がありますが、まさにこの「棧俵」2つで大きな口をつくり、目には茄子を、鼻はカボチャ、歯は竹を割って金紙を貼り付け、熊稗(くまびえ)を髪にして手作りするそうです。昔、木津は水害が多く、農家の暮らしも苦しくて、大神楽を買えなかった若者達が知恵を絞り手作りの神楽を賀茂神社に奉納したのが始まりだそう。祭りが終わると近くの小阿賀野川に流すとのこと。不思議とこれも「流す」んですね。

「流しびな」は、上巳(じょうし)の節供の日、災厄を身代わりである「人形(ひとかた)」に乗せて海や川に流すという「ひな祭り」の源流にあるとされる風習です。
「流しびな」ではその人形(紙のお雛様)を乗せる船として「桟俵」を使います。かつては新潟でも行われていたそうで、山際さんも小さい頃、中之口川で流すのを見た記憶があるとおっしゃっていました。

かつての形とは異なると思いますが、今回、鳥取市用瀬(もちがせ)町の県無形民俗文化財「用瀬の流し雛」を参考に、室礼オリジナルで「流しびな」づくりを企画しました。

【下準備】材料に使うワラは、「夏井のはさ木」で有名な西蒲区夏井で昨年はさがけした稲ワラ。農家さんに分けていただき、山際さんにお願いして、それらを圧力器にかけ、柔らかくしておきました。

夏井のはさがけ

【1】稲ワラをすぐる。芯のしっかりしたワラを選び、ぼそぼそとはがれやすい部分をはがしていく。
わらを選ぶ

【2】すぐったワラを直径3~4cm程度の束にして、下(刈り取った部分)をそろえる。(ワラをたくさん使うと分厚い桟俵になり、少ないと隙間のある軽い桟俵になります)

【3】下から22cmのところを、麻紐でできる限りきつく縛る。(この部分が桟俵の中心になる)

【4】縛った中心から、また22cm上のところで、ワラを切る。

広げる01

ひろげるUP

押さえる

【5】中心をしっかり握りながら、放射線状に上下のワラを広げる。片方ができたら、地面などに抑えつけながらもう片方を広げる。均一に広げることで、きれいなバランスのいい俵の側面ができます。

ひろげる続き

【6】山際さん直伝の「桟俵編み器」(※)に広げたワラを固定。中心にねじ釘(内装ビス)をさし、道具に据え、2つの円盤で挟んで固定します。2つの円盤の大きいほう(奥)の直径が、完成品の直径。今回は20cmとしました。小さいほうの円盤(手前)の直径が18cm程度です。

編み器
(※)この道具は山際さんが、小さい桟俵を作り易いようにと考案されたもの。本来は、古い畳などと円盤(石臼)で藁を挟み、作り手が足でのったり、石臼の重みで固定しながら、編みます。

あみ01

あみ02

おさえ01

円盤固定

【7】最初に最上部の5,6本のワラ束を2つ(左からA、B)手に取り、2回左回りに交差させたあと、ワラ束(A)を右へ曲げる。次に右側に新たな5,6本のワラ束(C)をつくって、先ほど右側に残っていたワラ束(B)と今度は1回のみ交差させ、(B)を右へ曲げる。この作業を円盤の縁になるべく線が揃うように繰り返していき、最初の地点まで戻ります。
はさがけした稲わらの場合、乾燥が強いため、ワラが途中で切れないよう霧吹きで水分を含ませながら編み作業をするのがポイント。

見本をみる

あみこみ

あみ進め

【8】最後のワラ束と、最初のワラ束(A)を紐を使って結び、きつく固定。

こてい01

こてい02

大枠完成

【9】はみ出たワラ束の先を内側に挟み込んでいき、糸でかがって固定。飛び出たワラ屑などは、はさみで切り整える。これで「桟俵」の完成です。

かがる

完成後、山際さんから参加者のみなさんへのプレゼント!山際さんお手製の「草箒」をいただきました。
ほうき

思わぬお土産を受け取り、嬉しそうなみなさん。山際さんとはここでお別れです。どうもありがとうございました!!そして、後半の「ひな人形」づくりへと続きます。

 

3/1(土)土着ワークショップvol.2 「流し雛づくり」

流しびな

雛祭りの元となったといわれる「流し雛」。
3月3日の節句の夕方に、災いを祓うために 人形を形代(かたしろ)にして、
川や海に 流す習慣が各地に残っています。 雛段に飾るお雛様も素敵ですが、
祈りや思いを込めて流すという「流し雛」も、とても風情があります。
ここ新潟県でもかつては「流し雛」の風習が見られたとか。

今回は流すことはしませんが、 桟俵(さんだわら)という稲藁で編んだ船、
ひな人形、そして春の小花をあしらい、思い思いの「流し雛」をつくります。
ワークショップに合わせ、雛祭りを感じられるKOKAJIYAのお茶とお菓子も用意します。
娘さんやお孫さんへのプレゼントに、また家庭やお店など季節のお飾りやお守りに。
どうぞワークショップで手を動かして、外は寒くても 心も体もあったまる
“春のひととき”を過ごしてみませんか?

日時:2014年3月1日(土)
13:00~ ワラ細工職人 山際辰夫さんを講師に「桟俵」づくり
14:30~ 室礼スタッフとともに「人形」づくり
15:30頃 お菓子タイム
16:00終了

会場:室礼(KOKAJIYA 2階)
駐車場は「いわむろや」駐車場をご利用ください。

参加費:3,000円(茶菓子・材料費込み、当日お支払いただきます)
定員:10人
申込み方法:メール[info@bricole.jp] かTEL 0256-78-8781(KOKAJIYA)まで。
「3/1土着ワークショップ参加申込み」と明記ください。

※小さいお子様がいらっしゃる方は、お申込みの際、ご相談ください。
※定員になり次第、受付終了となります。

夏井の稲ワラ
藁は、新潟市西蒲区夏井で穫れた稲わらを使用します。

古裂
人形は、厚紙と金色の和紙、古裂(こぎれ)で作成します。
好きな布があれば、お持ちいただいても結構です。

 

干し柿づくり2013晩秋@室礼 レポート

立冬を過ぎ、新潟の空気も秋の終わりへと加速する中、11月17日は久々の晴天の休日となりました。

例年よりも早く柿の実が成熟を迎える頃合いとなり、
「もうこれが今年最後のチャンス!」とばかりに、いささか駆け込み気味に
秋の実りを美味しくいただくための昔ながらの知恵、「干し柿づくり」を室礼にて行いました。

その模様をお伝えします。

KOKAJIYAがオープンして以来、初めて迎える冬。
その訪れを歓迎するかのような、ちょっぴりかわいらしい柿の風景を軒先につくることができました。

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晩秋になると日本のあちこちで見られる、柿を干す光景—。
でも一方では、少しずつそれが、身近なものではなくなってきているのかもしれません。

あたりまえに地域にあった風景の作られ方を体験したい。
そんな思いで「干し柿づくり」をまずは自分たちでやってみようと挑戦しました。

右も左もわからなかったので、柿のプロに教えていただこうと、
新津にあるタカツカ農園の高塚俊郎さんにレクチャーをお願いしました。

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まずは「なぜ柿を干すの?」という説明からスタート。
「渋柿の渋みの訳は、タンニンという柿の中の物質が、
口の中のだ液のタンパク質や水分と結びついて、その物質が柿独自の苦さのもとになる。
でも昔ながらの知恵で、柿を干すことによって、タンニンを水に溶けない物質に変えてしまう。
そうすることで柿の「甘味」だけを感じられるようになり、おいしくなる」のだそうです。

今回使った柿は、西蒲区巻の柿団地でとれた「平核無(ひらたねなし)」という種類の柿。
渋柿の一種ですが、その原木は新津から来ているのだとか。
大きさはSからM。タカツカ農園の柿は、2Lや3Lともっと大きな柿だというから驚きです。
それを1つ1つ機械で皮剥きするそうです。機械での作業も“技”がいるようで、その作業は
専らおじいちゃんのお仕事なのだとか。

今日は、手作業で1つ1つ剥いていきます。

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関東からタカツカ農園に奨学米プロジェクトで農作業体験にきていた大学生や
高塚さんのお子さんも参加して、みんなでひたすら「皮剥き」をしていきます。

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「柿を剥くのも初めて」という大学生も徐々に慣れた手つきになっていきます。

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高塚さんファミリーがそろって皮剥きをするすがたに、
「親から子へ知恵を伝える」という当たり前の景色を見せて貰いました。

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かねてから「干し柿」をやってみたかったとおっしゃっていた
燕市のツバメコーヒーの田中さんも参戦!人手があると本当に速いです。
60個あまりの柿があっという間に剥きあがりました。

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柿が干し上がった後の“もうひと手間”についても教えていただきました。

3,4週間して頃合いの硬さに仕上がった干し柿をクリップから外し、
平べったくもみほぐし、潰していきます。もみながら好みで形を整えてきます。
もむことで、干し柿の「糖分」を、柿の中から外へと行き渡らすことが
できるのだそうです。その糖分が、白く表面に浮き出て来ます。

もんだ後の柿を平らなザルなどの上に少し置いておくと、自然と粉が吹いてくるそうです。
不思議です。そうして干し柿が出来上がります。
干し柿は冷凍保存も可能で、水分がないので凍らず、そのまま冷凍庫から出して食べられるそうです。

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レクチャーが終わり、今度は干場の準備です。干す場所の条件は、
「風がよく通るところ」「雨に濡れない」「屋外」がポイント。

今回、干し方は、よく民家の軒先に見られるたて吊り型ではなく、
農家さんがやられる、横一列に干すやり方を教わりました。
干し柿専用のクリップ(ホームセンターで手に入るそうです)を柿を干す位置を
決めて橋渡しした棕櫚縄に適当数ひっかけ、干場づくりは完了です。

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いよいよ干す工程。皮剥きした柿を熱湯に20,30秒くぐらせ、殺菌したもの
にクリップをヘタの脇にぐっとひっかけるようにして留めていきます。

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KOKAJIYA1階のレストランの軒下に、ネックレス状に柿を並べました。干したばかりのときは色がまだ鮮やかなので、クリスマス飾りのようです。

あとは3、4週、待つのみ。
少々柿が熟してきて柔らかいものもあったこと、初めての試みということで、
失敗もあるかもしれませんが、来年開催予定の「土着ワークショップ」の
ための実験ということで、少し様子を見てみたいと思います。

経過は折々、HPにて報告します。

 

11/17(日)【公開!】干し柿づくり やります

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【公開!】干し柿づくり @室礼
日時:2013年11月17日(日)10:30〜14:00頃
場所:西蒲区岩室温泉666 KOKAJIYA2F「室礼」
講師:タカツカ農園 高塚俊郎さん(午前中いらっしゃいます)
見学自由!飛び入り参加も歓迎!
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「土着ワークショップ vol.2」として、11/23に予定していた干し柿づくり。

今回は、例年より気候が暖かかかったため、予定していた時期に“旬”の柿が
手に入らず、残念ながら来年にゆずることになりました。

そのかわりに、「干し柿づくり」の公開制作をKOKAJIYA2F「室礼」にて、
急きょ明日の11月17日(日)に行うことにいたしました!

使用する柿は、県内でも第2位の産地である角田山のふもと、柿団地
(西蒲区巻地区)の渋柿。先週西蒲区にあるJAの産直所「越王の里
にてぎりぎり、今年最後の渋柿を手に入れました。

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「渋柿」は20個で700円!安いです。
産直所の隣りには柿専用の選果場もあって、この地域が柿の産地であることが伺えます。
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干し柿づくりを教えてくださるのは、新津でお米、柿、新潟の果物を
使ったジャムづくりなどをなさっている「タカツカ農園」の高塚さん。

高塚さんは、6年の東京でのサラリーマン生活を経てUターン。
地域にある豊かな資源を活用して、それを生かすような減農薬による
農産物(農産加工品)づくりに日々取り組んでいらっしゃいます。
次世代を担う子どもたちに楽しい「食の記憶」を提供したいと、
作物を作るのみならず、学校に出張授業をされたり、異業種の人との
連携も積極的に行ったりと、さまざまに活動の幅を広げていらっしゃいます。

タカツカ農園の「はっちん柿、ごまはっちん柿」は、毎年すぐに売り切れてしまうほどの看板商品です。

そんな「柿」のプロでいらっしゃる高塚さんが教えてくださる干し柿づくり、とても楽しみです。

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ぜひ、見てみたい、やってみたいという方は、17日
ご自由に「室礼」にいらしてください。
午前中10:30頃から、お昼を挟んで14時頃まで作業予定です。

KOKAJIYAでの初めての干し柿づくり。
はたしてどのようなものになるか、おいしくできるのか…
どうぞ見守っていてください。

また経過などHPにて報告したいと思います。

 

土着ワークショップvol.1「新米ごはん&ワラで鍋敷き作り」

土着ワークショップvol.1 レポート

10/20、「土着ワークショップ」シリーズの第1回目となる「新米ごはん&ワラで鍋敷き作り」を「室礼」にて行いました。

あいにくの雨の中、新潟市内、三条市や富山県の富山市からお越しくださった参加者のみなさん。

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まずは、「はざかけ新米ごはんを食す」ことからスタート。

先月「いわむろや」主催で西蒲区夏井エリアで行われた「はざ架けイベント」で得られたお米を、KOKAJIYA特製のおかずとともにいただきました。

“はざ架け”とは、刈り取った稲を束にして、木と木の間に渡した竹に架け、自然乾燥させること。夏井エリアは、このはざ架けをする木=「はざ木」(西洋トネリコ)が田んぼに沿って植えられ、その風景は「美しい日本の村景観百選(農村景観百選)」の一つにもなっています。

メニューはこちら↓
・お釜で炊いた、はざかけ新米ごはん
・KOKAJIYAシェフ特製きりあい
・秋野菜のカポネータ
・魚のエスカベッシュ
・クスクスのサラダ
・きのこの煮つけ

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驚いたのは、ごはんの味の違い。お釜で炊いたことはもちろん、
はざかけ米は、ふっくら粒が立って、稲の香りがする、風味のしっかりとした味がしました。
自然乾燥のお米は、やはりひと味もふた味も違いました。

また、KOKAJIYA熊倉シェフがつくる「きりあい」(三条や岩室など新潟に伝わる生ふりかけ)も、商品化のリクエストが出るほどの人気。

「これだけでごはんが進んでしまう。ここで売っていないの?」とのお声…

おいしいお米をいただきながら、ワラ細工の講師、黒崎民具保存会会長の山際辰夫さんとの懇談。
雑談の中で意外にも参加者の多くが稲ワラに触れたことがないということがわかりました。
新潟、富山と言えば米どころとして知られますが、ほとんどが「ワラ」に触れたことがないという現実。
かつては農家をはじめ生活に必要な道具の多くをワラで作っていたわけですが、そうした「あたりまえ」にあった文化が失われていくコトへの疑問からこの「土着ワークショップ」は始まっています。

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そしていよいよ、はざ架けして得られたワラを使っての「鍋敷きづくり」へ。
畳の上で山際さんを囲み、円になって作業を開始しました。

準備)ワラを柔らかく加工する

干したままのワラは、茎がしっかりしていて、曲げにくく加工がしにくいもの。そこで、ワラに機械を使って圧を加え、しなやかに柔らかくします。かつては、横槌を使って手作業で柔らかくしていたようですが、これだけでも大変な作業。これでわら細工をはじめる準備ができます。ワークショップでは、山際さんに事前に加工をお願いしました。

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1)ワラをすぐる
鍋敷きの表面に使う、つやのある芯のしっかりとしたワラを選択する作業です。
たくさんのワラの中から選ぶという単純でありながら、根気のいる作業でした。
そして選ばれたワラを、鍋敷きの表面に編み込むため、長さを切り揃えます。

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2)芯をつくる
鍋敷きの芯には、表面には使えない残りのワラを使います。2つの束をつくり、
各々の束の上下を逆にして重ね(穂先と根元の幅が異なるため)ます。
それを、ビニールテープで真ん中を結び、束を円の形にして、ぐるぐると
テープをまきつけながらしっかりと固定します。

3)表面にワラを編む
1)ですぐったワラを3本(均一の太さのため本数は適宜調節)とり、円形の芯に
結び、次の3本をすぐ下に巻き付け、それらを交差させ、編み込んでいく。
この作業を続けるのですが、ここで慣れる(コツや自分のリズムをつかむ)まで
が個人差のでるところ。巻き付けたワラを押さえるのに力がいること、また
巻き付ける間隔も人によって異なるので、できあがりもまったく違った風合いに
なります。

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4)表面のワラを固定
編み込みを一周したら、ワラの編ひも(山際さん作成)で結びつけ固定。
あとは、はみ出たワラを切りそろえ完成です。

制作時間は、直径20㎝の鍋敷きで約1時間半~2時間ほど。
最初なので時間はかかりましたが、慣れればもっと早くできると思います。

参加者のみなさんは、想像以上の重労働に「今日中にできないかも…」などと途中で笑いもおこりつつ、終始集中して作業をなさっていました。そして、完成したときの喜び、充実感は格別のものでした。
最後はみなさんで記念撮影。

土地のめぐみであるお米を食べ、その稲から生まれた「第二のお米」ともよばれるたくさんの道具や肥料、そして材料にもなる「ワラ」を自分の手を使って細工すること。

稲作、料理、ワラでの道具づくり…すべてが土地とくらしと人と直結したものごと。
半日のイベントではありましたが、その奥深さを実感したワークショップとなりました。

はざかけ米をご用意くださった夏井の農家の山上さま、いわむろや、料理と配膳をしてくださったKOKAJIYAのみなさま、そして参加者のみなさま。ありがとうございました。

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次回の土着ワークショップは11/23(土・祝)「干し柿をつくる」を予定しています。
見た目にも美しい、今が旬の柿の干し方を本格的に学びます。ぜひ、今からご予定ください。

ちなみに、今回のワラ細工は、「小鍛冶屋」にもともとあった「カマダイ」(=釜を敷くもの)を参考に、これをつくろうと企画をしたものなので、できあがりが少し大きめでした。
次回は少し小さめの藁細工を作るワークショップを企画したいと思います。

今後も「室礼」の土着ワークショップをお楽しみに!

 

10/20「新米ごはん&ワラで鍋敷き作り」参加者募集中(終了しました)

室礼では、「土着ワークショップ」と題し、
岩室地域をはじめ、新潟に伝わるさまざまな文化や生活の知恵を
今後に残し、生かしていくためのワークショップをシリーズで展開していきます。

小さなことから「土着のもの」を取り入れ、
自らの手や身体を使って、今の暮らしをリフレッシュしていく。

そんなことを、この場所から展開そして発信できればと思います。

第1回目は、岩室、夏井地域とも縁の深い「はざかけ米」を食し、
そのはざかけによって生まれる「稲ワラ」で鍋敷きを手作りしよう、というもの。

“はざかけ米を食べてみたい”
“ワラ細工をつくってみたい”
そんな方におすすめです。

少人数で、たのしく充実した時間を一緒に過ごしてみませんか?
お子様連れでも大丈夫です。
ぜひ、お誘いあわせのうえ、ご参加ください。

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10月20日(日) 11:30~14:30  (終了しました。ご参加ありがとうございました)
「土着ワークショップ vol.1」
ワラで鍋敷き作りとはざかけ新米ごはんの会
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■11:30~  会場=灯りの食邸 KOKAJIYA
お釜で炊いた炊きたて新米ごはんを食べながらスタート。
「稲作とワラ細工」について、スタッフとお話ししながら
今年とれたての夏井のはざかけ米をいただきます。

■12:30~  会場=室礼(KOKAJIYA 2階)
ごはんを食べた後は、はざかけして得られた稲ワラを
使っての鍋敷き作り。小鍛冶屋の倉庫からも出てきた
「カマダイ」というドーナツ型の鍋敷き(下の写真のようなもの)を作成します。
講師は黒崎民具保存会会長の山際辰夫さん。出来た鍋敷きは持ち帰りできます。
制作時間の目安:2時間弱

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定員 12人
参加費 3,000円(材料費込み、当日お支払いただきます)

申込み方法
メール[info@bricole.jp] かTEL 0256-78-8781(KOKAJIYA)まで。
「10/20土着ワークショップ参加申込み」と明記ください。

※定員になり次第、受付終了となります。

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