お知らせ

書籍「うつろうもの のこるもの」をKOKAJIYA・室礼にて販売中!

室礼を運営する私たちブリコールは、このほど書籍『MADO+BOOKS 001 うつろうもの のこるもの』を発刊しました!
8/7より「灯りの食邸 KOKAJIYA 1階入口」にて、販売を開始しております。

そこで、本書出版のいきさつについて少し触れてみたいと思います。

目門ブックス

2013年の夏からここ岩室にて活動をスタートさせ、半年が経った冬。すぐ隣りにある西蒲区福井というまちで、長年写真を撮り続けているおじいさんがいることを知っていた私桾沢(ぐみざわ)は、いろいろとこの辺りのお話を伺いたく、その斉藤文夫さんの活動場所である「旧庄屋佐藤家」を訪れました。

その時のインタビューは2,3時間だったでしょうか。いろり端で滔滔とお話される斉藤さんの話が非常に面白く、とくに今はなき村「角海浜」のお話にはぐんぐん引き込まれました。そこで、その内容から抜粋し、私たちが不定期で発行しているフリーペーパー「ひとひら」のvol.03に「角海浜」と言うタイトルで掲載させてもらいました。

いろりのまえ斉藤さん

ひとひら3表紙

ひとひら03

するとこのフリーペーパーは、思いのほか反響をいただき、刷った1000部はあっという間になくなり、斉藤さんからも喜んでいただきました。
そのインタビューと前後する頃、映画『阿賀に生きる』(佐藤真監督、1992年)を見て心を動かされた私は、角海浜の老人たちと、阿賀に生きた人々との間に多くの共通項が浮かびあがり、この作品づくりに関わったみなさんと先ほどの斉藤さんとでお話をする機会がつくれないか、と同時に、この映画を岩室で上映する場もつくりたいと思いました。

そして、様々なご縁とみなさまのご理解ご協力が重なって2014年の春に実現したのが、映画『阿賀に生きる』16mmフィルム上映会@いわむろやと「いろり座談会」でした。

いろり座談会チラシ

斉藤さんと『阿賀に生きる』に関わったみなさんとともに、横断トークというかたちで行ったこの座談会は、3時間に及ぶ盛りだくさんの会でしたが、今考えても奇跡的にありがたい場でした。上映会は、撮影された小林茂さんが、配給会社の太秦さまにかけあってくださり上映許可をいただき、自ら16mmフィルムと映写機材を持参して映写技師さん・音響さんとともに上映してくださいました。そしてそれは、『阿賀に生きる』がそうであったように、お客様からのカンパ方式でおこないました。

いろり座談者01

いろり座談者02

いろり座談者03

「いろり座談会」もゲストの皆様へはノーギャラですし、いわむろやさんの機材をお借りし、会場の佐藤家もほぼタダ同然での利用をさせてもらいました。『阿賀に生きる』の仕掛け人・旗野秀人さんが座談会でおっしゃっていたように、何かお金ではない、べつのものを介した、誰かと誰かの想いからできあがるような、とても熱を帯びた空間になっていたなと、当事者ながらにそう思います。

集合写真

今回私たちが出版した『MADO+BOOKS 001 うつろうもの のこるもの』は、その「角海浜インタビュー」と「いろり座談会」を収録しつつ、斉藤文夫さん「角海浜」、村井勇さん「『阿賀に生きる』スチール」、石山与五栄門さん「鎧潟」という、3人の撮影者による貴重な白黒写真を中核にしています。写真はとにかく素晴らしいです。ぜひ、ご覧いただきたいものばかりです。

本のタイトルに、MADO+BOOKS(目門ブックス)と冠しているのは、今後も書籍をシリーズとして出してゆきたいという思いを込めています。奥付に「MADO+BOOKS(目門ブックス)」について以下のような文章(桾沢和典)を載せました↓

“いつか誰かの見た「光」や「音」。それは、人の心に切り取られ、ある時代には、「物語」や「絵」として、ある時代には「写真」や「映像」として残されます。断片となって形を変えながらも、大事に選びとられた事物は、他の誰かに伝えられ、生き続けることがあります。
まど(目門)とは、風景を切り取る目と、物事が往来する門のようなもの。誰かがどこかで出会い、大事にえらびとった事物を「本」という形で寄せ集めることで、人が人に手渡すことを願ったそれが、誰かにとっての良き贈り物となることを願います。” 

 
東京から新潟へ移住し、岩室での活動をきっかけに出会った人々とが有機的につながり、様々な関係線の中で、おかげさまでこの本はできあがりました。
過去から未来へ、うつろいながらものこってゆくものたちに思いを込めて…。
ぜひともお買い求めいただき、大切な周囲の方々にも宣伝していただけると嬉しいです。

まどのつか

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MADO+BOOKS 001 「うつろうもの のこるもの」
書籍概要
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http://bricole.jp/madobooks/

“しかしそれでも人は生きる。「うつろうもの」と「のこるもの」との狭間で。
ときにあえなく翻弄され、ときにはそれに逆らうように。”

(本書寄稿「写真が想い出す」・・・美術批評家/椹木野衣 より)

まど表紙

タイトル : MADO+ BOOKS 001
『うつろうもの のこるもの』
企画・編集・発行: Bricole(桾沢和典・桾沢厚子)
大きさ : A5サイズ(148mm×210mm)
ページ数 : 表紙4p+本文80p
印刷部数 : 1,000部
発行日 : 2016年8月6日
販売額 : 1,500円(税込)(本体1,389円)
販売場所 :①直接注文 ②オンライン販売 ③新潟市内外の販売店様(販売店リストはページ下記↓)

お問い合わせ/ご注文先:080-4051-1211(ぐみざわ)メール:info@bricole.jp
インターネット販売はこちら>>Bricoleストア

「私たちの生活は、私たちの望むままに変わってきたのか?
 それとも、気づいた時には変わってしまっていたのか?」

巻の原発問題に揺れながら廃村した「角海浜」の生活をカメラで追い続けた斉藤文夫氏、映画『阿賀に生きる』の老人たちの姿を親密な距離感で撮り溜めた村井勇氏、消えゆく「鎧潟」をそこに棲む人々とともに記録し続けた石山与五栄門氏。 三者三様に、「浜」、「河」、「潟」に生きた人々を捉えた、貴重な写真で過去を振り返りながら、自然と人間との関わりにおける河川のあり方を追求してきた 大熊孝氏(新潟大学名誉教授、ビュー福島潟7代目名誉館長)、人の生き様をあぶり出すドキュメンタリー作品を生み出す、『風の波紋』監督小林茂氏、長年新 潟水俣病患者に寄り添い続け、映画『阿賀に生きる』仕掛け人でもある旗野秀人氏(冥土のみやげ企画)をゲストに迎え、「自然とともに生きていた人の暮ら し」を自らの体験と出会った人々から語る「いろり座談会」の三時間にわたる全内容を収録。
(「過疎に消えた村の記憶 角海浜」:廃村までの「角海浜」を写真と共に語ってもらった斉藤文夫氏インタビューを同時収録。)

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<もくじ>
○角海浜 ―過疎に消えた村の記憶―
語り手:斉藤文夫(旧庄屋佐藤家・囲炉裏の火焚きじいさん) 聞き手:桾沢厚子

○いろり座談会「角海と阿賀に生きた人々」
座談ゲスト:
大熊孝(新潟大学名誉教授・河川工学/土木史)、斉藤文夫(郷土研究家、写真家)、
小林茂(ドキュメンタリー映画監督)、旗野秀人(「冥土のみやげ企画」主宰)、
村井勇(フリーカメラマン)
司会:桾沢厚子

○寄稿「写真が想い出す」/椹木野衣(美術批評家)

○あとがき
「間に生きるものとして」/桾沢厚子
「継続され反復される光」/桾沢和典

●掲載写真
角海浜の記録 斉藤文夫
映画『阿賀に生きる』スチール 村井勇
鎧潟 石山与五栄門

●付録:角海浜・阿賀に生きる関連年表

まど01

まど02

まど03

まど04

【販売店リスト】(2016.9.20現在)
<新潟市西蒲区>
●旧庄屋佐藤家
●KOKAJIYA2F 室礼
●岩室観光施設「いわむろや」
●tetote 越前浜店
●MAUI store
●にいだや&ギャラリー野衣
<新潟市中央区>
●北書店
●新潟・市民映画館シネ・ウインド
●新潟絵屋
●hickory03travelers
●BOOKS f3
●砂丘館
●ジュンク堂書店新潟店(新潟関連書籍/芸術書コーナー)
●みなとぴあ(新潟市歴史博物館)
<新潟市江南区>
●北方文化博物館
<燕市>
●ツバメコーヒー
<長岡市>
●ブックスはせがわ
<十日町市>
●10/29 「十日町姫田作品上映会」にて出張販売
<東京>
谷根千/上野
●古書ほうろう
●ROUTE BOOKS
●往来堂書店
●ひるねこBOOKS
恵比寿
●(9/22~)Nadiff a/p/a/r/t
●(9/25~)Nadiff BAITEN (東京都写真美術館内)
荻窪
●本屋Title

※今後、順次追加してまいります。
※お取り扱いいただける販売店様は、お手数ですが、ぐみざわまでご連絡ください。詳細をご連絡いたします。

Posted on 2016-08-08 | Posted in お知らせNo Comments »